23日にも観たんですが、今日も観て来ました。どうしても気になる事があって、それは映像でないと確認出来ないので再び映画館へ足を運んだ訳です。
 前回観た時にも、主人公を演じる一青窈の父親役の小林稔侍が僕の父に似てるなあと思い、それから何だか気になって仕方がないのです。別に小林稔侍と僕の父の顔が似てる訳ではなく、肩幅が広く、老いても尚浅黒い顔をして、口数が少ないところや、一つ一つの仕草や表情の作り方がコピーかと思えるほどそっくりなんです。例えばビールを呑む時のコップの口へ持って行き方とか、座ったり立ったりする時の声の漏らし方とか、何か言おうとして止める時の目を移ろい方とか、何だか知らないけどいつも何かを迷っているような表情とか。観ていて非常に切なくなりました。
 それと、古本屋の主人で鉄ヲタの一青窈の友人役を浅野忠信が演じていますが、この人も僕の真ん中の弟の性格と小学校以来の友人の容姿を足すとこうなるだろうなと思ってしまう。こちらも口数が少なく、妙にお人好し。何か言いたいのを躊躇している時の仕草が似てる。結果として、今日は小林稔侍と浅野忠信を観に行ったようなものです。もっと言えば、スクリーン上に映る僕の家族を観に行ったようなものです。
 ひとつ強く思った事があります。小林稔侍(僕の父の投影としての)を観ていて、僕も、僕の父のような父親になりたいと初めて思いました。子供に疎まれ、酷い目に遭わされても、彼のような父親になりたい。劇中の父親からは切ないほどの愛情が感じられます。そう考えると、僕も父から確かに愛されていたのでしょう。何年か前に実家で撮った両親の写真を、今度スキャンし直してみようかと思っています。

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