何もする事が無かったので歩いて来た。

 今朝は10時頃に目覚め、それから何か食べたり、メールやコメントのレスポンスを書いたり、何やら色々やっていたら、気付けばもう既に夕方だった。置いてきぼりにされた気分である。それに加えて、僕の住んでいるマンションは現在、外装の改修工事をしており、窓という窓は外側からしっかりと養生されてしまっている為に窓が開けられない。非常に閉塞感を感じる。やがて陽は落ち、辺りが暗くなってくると寂寥感さえ感じるほどだ。そんな風に部屋でじっとしているとやたらと気が滅入ってくるので、今夜観るヴィデオでも借りるついでに散歩でもして来ようと出かけた訳なのです。が、しかし、観たいヴィデオは全て無く、滅多にお目にかかれないほどの徒労感を味わい、とぼとぼと部屋に戻って来たは良いが、本当に何もする事がない。いや、探せば何かあるのだろうけれど、したい事が何も思いつかなかったのである。夜の帳は既に下ろされ、僕の行き場は何処にも無い。
 そんな鬱々とした気分で、僕は「今日は俺何やってたんだっけなあ」なんて事をぼんやり考えていると、今日は何故かしら体調が余り思わしくなく、そう言えば歩いている時が一番自分のカラダの居心地が良かった、という事に思い当たりました。なるほど。歩いていれば気分は良くなるのだ。そう考えると居ても立ってもいられなくなり、スウェットパンツを穿き、ウィンドブレーカーを被り、スニーカーを履いて、夜の町へ飛び出したのであった。