短編集。読んだ事のない作家であったので、殆どタイトル買いである。真夜中にコンビニエンスストアに通い詰めてしまう女性が主人公の物語。しかし、僕が最も気に入ったのは、タイトルの短編ではなく、収録されている別な短編。その中にこんな話がある。自分の夫を、別な女性に50万円で譲るという話。譲渡金及び協力費、それを合わせて50万円である。譲渡という課程を経てはいるけれど、言ってみれば二人の女性に拠る、一人の男性の共有である。その二人の女性のキャラクターもあってか、この話を読んで、何だか楽しい気分になった。