板塀の隙間から庭の外へ出て行ってしまった黒猫は、たぶん戻っては来ないのだろう。そんな気がする。それに、きっとそれで良いのだろうとも思う。髪の毛が伸び過ぎていた。花瓶の水を入れ替え、窓を開け、此処にこうして座っていよう。