2009年12月、「外国人観光客の急増にともない、東京都の人気スポットとなっている高尾山(八王子市、標高599メートル)でトイレ不足が深刻化していることを受け、都はトイレの増設のため山頂まで下水道を延伸する方針を決めた。高尾山はミシュラン社の日本版の旅行ガイドで最高の三つ星の評価を受け、外国人観光客が急増、年間250万人が訪れる都内を代表する観光スポットとなった」(産経新聞 2009年12月10日)というニュースが流れた。
 また、「岐阜県高山市に外国人観光客が続々と訪れている。江戸時代の面影を残す古い町並みや高山祭、温泉などの資源を生かし、官民一体となって外国人観光客の誘致に取り組んだ結果、2008年には10年前の約5倍、17万人の外国人観光客が高山を訪れた。特別なテーマパークがあるわけでもなく、世界遺産に登録されたわけでもないが、ミシュランの旅行ガイドで三つ星の最高評価を受けたことも外国人観光客急増の一因である」(J-CAST ニュース 2010年1月11日)という報道もあった。
 高山市の場合、市のウェブサイトの十一カ国語対応など、官民一体となった徹底した受け入れ態勢が外国人客の増加を支えた一番の理由だと思われるが、それにしても、このミシュラン旅行ガイドの外国人観光客集客能力は相当なものだ。

山口裕美著『観光アート』光文社新書 2010年 pp.38-39