アウトサイダー・アートと呼ばれる作品の多くはセルフトート(独学)や精神障害者らによるものを指す。画廊などできちんと発表せず、自宅にかかえこんでいたりするいわゆる《引きこもり》タイプの制作者もこれらに入れられることが多い。
すべてに共通するわけではないが、特に精神障害者や幻覚を見るタイプの人に多いのは、オブセッシヴ(脅迫観念的)な繰り返しの表現や、自分が語る壮大な妄想の物語、世界の創造主たらんとする細部にいたるまでの世界の作り込みである。その作品には日記とも物語の断片ともつかぬ細かな文字がイメージとともに書き込まれていることも多く、あるいは、写真や印刷物、周囲のものを集めてくるプリコラージュ的な手法によるコラージュ、オブジェなども多い。
長谷川祐子著『キュレーションー知と感性を揺さぶる力』集英社新書 2013年 p.151
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