何年も前から山手線沿線を歩いてみたいという欲求があった。僕は山手線の電車の車窓から見える風景が好きで、例え他のルートを辿った方が早く、しかも安価に目的地に着く事が判っていても山手線を利用する。なので、いつか車窓から見える風景の中を歩いてみたいと常々思っていたのである。ただ、そう思ってはいても諸事情その他の理由でなかなか実行には移せずに先延ばしにし続けていたのだが、いくら何でも好い加減に実行に移したらどうか、と自分に言い聞かせて先日敢行したのだった。

 さて「山手線一周」などと言う単語で検索してみれば、結構たくさんの人がそれを実行しているようで、しかしながら僕が考えている事に比べると若干主旨が違うようである。徒歩にしろ自転車にしろ、皆さん一気に山手線を周回しようとしていて、体力勝負というか感じは否めない。僕はそういったニュアンスの事には全く興味がなくて、沿線を歩いて廻りたいと思っているだけである。以下に僕が考える山手線一周に対する思いを記す。

  • 一気に一周する必要は何処にもない。どうやら徒歩で一周すると10〜15時間くらいかかるようだが、そんな長い時間歩きつめたいとは全く思わない。そもそも僕の体力では無理である。僕のこれまでの最長散歩時間は5時間だ。
  • という訳で、数日に分けて一周する事にする。適当な時間に歩き始め、若干の余裕を残しながら辿り着いた駅で止める。
  • 出発駅は上野駅とする。自宅から一番近い駅と言えば日暮里なのだが、どちらかと言えばしみったれた駅であるので、ゴール駅もこの駅だと思うと歩こうという気持ちが萎える。なので北からの東京の玄関口とも言える上野駅を出発駅、ゴール駅とする。
  • 進行方向は内回り(上野から見て御徒町方面)とする。何故ならば僕は山手線の北側の地域が好きであり、競技場でトラックを走るのと逆に廻るのは心臓に悪そうだからである。
  • 出来るだけ線路沿いの道を歩く。寄り道をしない。つまり路地に入り込まない。路地を迷った方が楽しいに決まっているのだが、今回の主旨に反するし、それやってるとキリがない。
  • 写真は撮る。それがメインではないが撮る。経験は優先させるが記録もしたい。道々で、ヘンな物は Ricoh GR-D (コンパクト・デジタルカメラ)で撮る。押さえで真面目に撮りたい場合は Olympus OM-4 (一眼レフ・フィルムカメラ)で撮る。

 さて、御託を並べるだけでエントリひとつ埋まってしまったが、後日、徐々に書いていこうと思う。