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崖っぷちな小径: 田端駅(谷底)から前へ進もうとすると一度左側の高台へ登らねばならない。つまりあの駅舎へ行くのに皆高台から降りてくるのだ。で、その坂道というか緩やかな階段を登っていると、ふと右側に妙に狭い、公の道だとはとても思えない通路のようなものが在り、非常に興味をそそられた僕は嬉々としてそちらへ歩を進めた。何しろその小径の佇まいが大変宜しい。
 回廊のように絶壁を巡る小径はやがて行き止まり、そこから狭い石段で高台を登る。そしてそれは、近所に住む人でなければ気付かぬような場所へと続くのだ。一体どのくらいの人がこの道を必要として作られた道なのか。部外者である僕には窺い知れないが、この場所で毎日を過ごす人でなければ持ち得ない利便性が在るのだろう。

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ポロック・ガレージ: 高台の上の正規の道路に出、山手線が大きく左へカーブするまでの直線を進んでいると、これまた妙な家屋が見えてきた。下町で良く見られるような個人商店の4枚の引き戸が入口となっているよう雑多な物が積み重ねられている。この写真では確認し辛いが、それらは一葉にジャクソン・ポロックの絵画から深みを取り除いたような色彩のスパッタリングが施されている。装飾の為に施されたであろう着色は、言わせて貰えれば余計にガラクタ感を助長しているようにしか見えない。表札に見える物があり、それに拠れば何かのスタジオであるようなのだが、一体何を作っているのだろうか。

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山の手ソープ: 山手線に乗って車窓を眺めていると必ず目に留まるソープランドの看板。山手線沿線道路の、建物の影に隠れる事もない、非常に開かれた場所で営業している。そんな立地だと宣伝効果は勿論絶大だろうけれど、非常に入店しにくいのではないだろうか。総額表示もかなり低い値であったが、そういう問題じゃないような気がする。因みに僕が住む町から二駅分登った線路脇の道沿いにも同じような立地のソープランドが在る。そこも安い。でも客が出入りするところを見た事がないのである。

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駒込駅: この駅も改札が2箇所在り、一つは写真に在るように大通りに面した比較的新しい駅舎に在り、もう一つは商店街直結するように存在する鄙びた駅舎(ガード下)に在る。当然のように僕はその鄙びた方の改札が好きなのだが、何故か今回はそちらを撮っていない。何故だったのだろうか。たぶん西日のせいで写真を撮るには不向きな状況だったのだろう。しかしながら、その改札の近くに在る中華料理屋で炒飯は食べた。その店には何度か行っていて、そこの炒飯とおまけに付いてくる若布スープが好きなのだ。

 部外者には窺い知れない都合に拠り形成された町の造形というのは、その理由がはっきり理解出来ないが故に僕を魅了する。出来るだけ多く、そういう場所に巡り会いたいものである。