体力が落ち、身体は言う事を聞かず、思い出せない事が多くなり、言われた事が耳に入らなくなる。そうして、それらの要因が重なる日々の生活の中で、自分で自分が信じられなくなるような過失を繰り返す。それを見咎めた子供らからは非難を浴び、小言を言われ続けるのはどういう気分だろうか。それでもやはり生き続けたいだろうか。死にたくなったりはしないのだろうか。老いの苦しみは自ら経験しないと解らないものだと考えていたが、間近に接していると伝わってくるものはある。