観覧車両
仕事でだが、小田急線の急行の車両に乗って久しぶりに西へ。平日の午前中とあらば乗客は少なく、座席に座り車窓の風景を眺める。低くなって行く建物。長くなる電線。空は急速に広がりを見せ、車両の中へ差し込む光は量を増していく。窓の外には緑がそわそわと揺れ、小高い丘陵の斜面や頂部に建つ家々は何処かの国の横穴式の洞窟の住居群を思わせる。
それらの光景は次々と入れ替わり、僕は飽きる事なくそれを眺めている。鉄道というのは、そんな風景を眺める為の移動する観覧席のような気がした。何処か目的地に辿り着く為ではなく、数十キロの長さの絵巻を鑑賞する為に移動する観覧席。光の波が漂う車両の中には、取引先に急ぐ会社員が手帖に何かを書き込んでいたり、子供連れの親子が何やらアニメーションの主人公について話していたり、老人が居眠りをしたりしている。僕だけが車窓を眺めている。何かを見い出そうとしているようにも見える。そしてそんな自分を第三者的に感じている僕は、行き先を見失ってしまいそうになっている。
それらの光景は次々と入れ替わり、僕は飽きる事なくそれを眺めている。鉄道というのは、そんな風景を眺める為の移動する観覧席のような気がした。何処か目的地に辿り着く為ではなく、数十キロの長さの絵巻を鑑賞する為に移動する観覧席。光の波が漂う車両の中には、取引先に急ぐ会社員が手帖に何かを書き込んでいたり、子供連れの親子が何やらアニメーションの主人公について話していたり、老人が居眠りをしたりしている。僕だけが車窓を眺めている。何かを見い出そうとしているようにも見える。そしてそんな自分を第三者的に感じている僕は、行き先を見失ってしまいそうになっている。
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