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小五郎 02

  • 2008-10-14 Tuesday 22:46
  • Category - Days
  • Tag -
 この小五郎、事実上は静枝夫人の飼い猫である事は間違いないのだが、当の夫人がその事実を認めたがらない。彼女曰く「迷い込んだ野良猫の世話しているだけ」との事だが住人の誰もがそうは思っていない。そんなものは世間体を気に病んだ上での戯れ言に過ぎない。夫人は事ある毎に、元々猫好きで小五郎以外にも何匹もの野良猫の世話をしているのでその一環である、というような内容の話を少しずつ変化させながら僕に話して聞かせるのだが、夫人が他の猫の世話をしているところなど一度も見た事はない。阿保らしいのでその類の話は全て聞き流す事にしている。その話を僕だけにしているとは到底思えないので、他の住人達も同じ様な思いで夫人を眺めているのだろう。
 更に夫人の悪いところは、立ち話の歳に話題が小五郎に移ると途端に悪口を言い始める。勿論小五郎のである。やれ世話が焼けるだの、言うこと聞かないだの、餌代やたまにかかる病院の治療費が嵩むだの、小五郎が居るおかげで旅行にもいけやしないだの、それはもうありとあらゆる理由をつけて罵る。しかしその罵り言葉の端々に小五郎に対する依存を感じさせるのが、これまた面倒臭い。誰よりもその野良猫を必要としているのはあんたじゃないか、と言いたくなるのも当然だが、でもそんな事は言わない。燈刻となり、近くのスーパーで総菜や生鮮食品が安く売り叩かれる頃になると、小五郎の為に鶏のササミを買いに出かける着飾った後ろ姿は何処か物悲しい。事実を突きつける事が全て正しいとは言い切れない、とそんな事を思う一瞬である。

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このエントリ内に書かれている事は大体に於いて事実と異なります。
  • Last modified : 2008-10-15 22:32
          

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