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July 2004

麦酒と焼豚

 今夜はキリンのクラシック・ラガーを呑みながら、焼豚のスライスにネギを刻んだヤツを乗っけて食べています。父が大のキリン党で、子供の頃はキリン・ビール以外は私は口にした事がなく、やはり味覚というものは刷り込まれてしまうもので、大人になってからも僕はキリン・ビールを好んでいます。何かが間違っているような気がするかも知れませんが、それは気のせいであると思われます。読み流しましょう。

 そんな事を書いてはいても、キリン・ビールしか呑まない訳ではありません。貰えるのであれば何でも呑みますし、外国製のビールを好きこのんで呑んだりもします。ハイネケンとかシンハとか青島とかグロルーシュとかですかね、好んで呑むのは。あと外国製ではありませんが、オリオン・ビールも好きです。去年、那覇市のスナックで「オリオン・ビールが好きだ。」と言ったら、隣に座っていた真っ黒に日焼けした船乗りのオジサンに「うちの娘と結婚するか?」と言われました。「どんな娘?」と尋ねたのですが、笑って答えてくれませんでした。きっと冗談だったのでしょう。

冷酒と団子

 或る時私にしては珍しくテレビを点けていたら、浅草辺りの団子屋の若旦那が取材者に対してこんな事言ってました。「余り知られてないと思うんですけど、日本酒と団子って意外に合うんですよ。」そう言いながらみたらし団子をモシャモシャと頬張り、グラスに注いだ冷酒をグビッと呑んでました。一瞬うえっとか思ったのですが、その若旦那が余りにも旨そうに呑み食いするので次第に試してみたくなりました。んで、早速その日の内に試してみた訳です。・・・いける!結構旨いじゃないか!アンコ付きだとアレそうなので若旦那を真似てみたらし団子にしたのです。いやあ、旨い。良い事を教えて貰いました。ありがとう若旦那!
 て、半年くらい前の話です。今その事をふと思い出したので何となく書いてみました。今は黒糖焼酎を呑んでます。

赤い波打ち際

  • 2004-07-26 月曜日
  • Category - Days
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 いつものように、屋上の欄干に寄りかかって煙草を吸う。風があるせいか、煙草は瞬く間に灰と化し短くなっていく。見上げれば、中央右寄りから分厚く幾重にも折り重なった雲が左へと広がっている。オレンジとピンクを奇跡的な配分で混ぜ合わせた色に染め抜かれたそれらは、僕の顔にも色落とす。絶景とはこういうモノを言うのだろうか。見慣れた眼下の市井は元より空中庭園を遙かに超え、人間の枠をも越えた雄々しき世界。赤く透明な光が洪水となって僕に押し寄せて来る。いつの間にか根元まで燃えてしまった煙草を僕は欄干に押し当てて潰し、アルミの空き缶に放り込む。ふと見下ろせば、そこには見事な高低差を保った谷間が遠くに見える。揺れているように感じるのは僕の不安定さがそうさせるのだろうか、それとも谷間そのものがが道を歩いているからなのだろうか。うへへ。

Hapa / Hapa

  • 2004-07-23 金曜日
  • Category - Art
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 前回に引き続きハワイアン・ミュージック。ハワイ出身の Keli`i Kaneali`i とニュージャージー出身の Barry Flanagan が組んだギター・デュオ。それがこの Hapa( Half の意)です。Flanagan のスラック・ギター(弦を緩めて弾く奏法)と Kaneali`i の柔らかく透き通った歌声が絶妙に重なり合って、本当に美しい。4曲目の " Lei Pikake " なんて涙が零れてしまいそうです。Flanagan は伝統的なハワイアン音楽に、Kaneali`i はアメリカ本土のポピュラー音楽にそれぞれ強い興味を持っていたそうですが、彼等についてはとても印象的な話を何処かしらで読んだ事があります。Flanagan はいつもギターケースを抱え、何処へ行くにも独りでシャカシャカ歩いて行くそうです。代わって Kaneali`i は家族と過ごす時間が多く、街を歩くにも家族を連れ立って、お互いに声を掛け合い笑いながら歩いているそうです。こんなにも対照的な二人が1983年に出会い、バンドを組むというのが面白い。私がその記事を読んで興味を持ったは良いが結局聴かず仕舞いで、ようやくその音源を手にしたのは今週の事です。その間に一体何年の月日が経ってしまったのでしょうか。全然思い出せません。僕がもたもたしている間に、このバンドは解散してしまったようです。悔しいです。でも一つだけ、その間に僕がどれだけ変わってしまおうとも、このバンドの名前を忘れていなかった事が嬉しかったりします。
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Alone in Iz World / Israel Kamakawiwo'ole

  • 2004-07-22 木曜日
  • Category - Art
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 最近 J-WAVE で二日に一度は流れている " Over the rainbow " が気になって仕方がなかったのですが、遂に CD を手にれました。Israel Kamakawiwo'ole 。ジャケットを見て貰えば判ると思いますが、ビッグファット・ハワイアンです。彼は1997年に享年38歳で他界しました。このアルバムは再編集され、追加された追悼(?)企画みたいですね。前述の曲、微かに憂いを帯びた歌声が素晴らしいです。確かに同じ曲なのですが、もう原曲とは全く別モノになってます。憧れ続けた虹の向こう側へ連れて行って欲しいです。この曲を聴いていると、何とかこの夏も乗り切る事が出来そうな気がして来ました。

 余談ですが、これまでに二度ハワイに行って、観光ルートを外れれば日本人観光客なんて結構冷遇されるもんだな、とかツマラナイ事は知っていましたが、ハワイ主権復興運動なるものが存在する事を、恥ずかしながら初めて知りました。
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Summertime Very Bad Blues

  • 2004-07-22 木曜日
  • Category - Days
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 不確実性に期待を寄せながら日々を過ごすというのは、精神衛生上非常に良くない・・・気がする。目前の事柄に集中するべきなのだろうか。いや、多分そうだと思うんだけど、それだと今の僕には仕事だけという事になり兼ねない。寂しい気もするが、妥当な気もする。いくら待ってもいつまで経っても何も起きない、とはよくある話である。この暑さだ。ロクでもない事をしでかす可能性も十分にある。たぶん僕が。こんな感じで一夏を過ごす事が予想されるのは決して珍しい事ではない。夏に生まれはしたが、夏に成就する事はないのである。

My Shawl / Xavier Cugat & His Orchestra

  • 2004-07-20 火曜日
  • Category - Art
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 たぶん僕が上京してすぐの頃でしょうか。キューバン・ミュージックなる音楽を聴いてみようかなと思いCD 屋で物色してみましたが、全く持って何も知らないので選びようがない。こんな時は大概ジャケットで選んでしまうのが常な僕。しかしこの時はバンド名で選びました。ザヴィア・クガート。何というイカシた響きでしょう。こんな格好良い名前の人が作る音楽はやはり格好良いに違いない。そう思い込んで買う事にしました。基本的にはラテンの名曲のカヴァーアルバムなのですが、結果・・・当たりでした。全部が良い事はありません。半分くらいです。や、個人的には。この CD で僕は生まれて初めてブラス・アンサンブル(というのかどうかは)に打ちのめされました。 " Sway " とか " Miami Beach Rhumba " とかもう最高。因みに、村上龍の " トパーズ " にちょっとだけ使われていて、王家衛の " 欲望の翼 " に全面的に使われています。
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Ascenseur Pour L'Echafaud / Miles Davis

 階下の店では、今夜は確かジャズ(風)・バンドが演奏しているハズなわけ。でもそれにしては " 涙そうそう "とか演っちゃってるし、挙げ句の果てには " 色彩のブルース "とか演っちゃったりしてるわけ。でも個人的には中納良恵嬢以外の声では聴きたくないので、とっとこ出かける事にしたわけ。サンダル履きで自転車すいすい漕いで。無駄にキャップ被って。もう、なんていうかスパルタな父親の元から逃げ出したベートーベンな気分なわけ。だからと言って2時間も3時間も自転車に乗ってられるハズもないわけ。今日は身体の調子もあまり良くないし。んで、適当な居酒屋に入って呑んだりするわけ。独りで。焼酎を。考えてみれば一昨日から三連チャン。一昨日も昨日も上司と呑んでた。そんな事やってりゃ体調が良いハズないってミミズでも解る論理なわけ。ふう。で。今コレ聴いてます。" 死刑台のエレベーター " のサントラ。映画は観た事ない。コレ聴いてると頭の中がシーンとしちゃって気持ち良い。夜が薄れ、カラスがようやく目を覚ます午前4時。そんな感じの日曜日。
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夜の影法師

  • 2004-07-13 火曜日
  • Category - Days
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 陽が落ちて随分経った頃に、会社の屋上で煙草を吸いながら眼下の通りを眺めていました。昼間とは違い、光は頭上からではなく足元から、全てに公平で透明な光ではなく、微弱な、それでいて欲を孕んだ色とりどりの光が僕の顔を照らします。仕事を終えた人々が三々五々それぞれのテンポで歩き過ぎるのが見えます。彼等一人一人が手の平に光を持ち帰り、やがて此処は街灯の除けば闇に沈むでしょう。

 仕事にしても私的な事柄にしても、同時に幾つもの要素が流れうねるので、僕は少々呆れてきました。何にって、今の状況に呆れている訳です。よくもまあ、ここまで入り組んだもつれ方をするものだと関心してしまうくらいです。それでもどうにかしなければ前には一歩も進ませてはくれないので、一つ一つ丁寧に解いていかなければならない。それは非常に面倒な作業で、それだけで一日が終わってしまいそうな勢いです。中には解こうにも手が届かない案件もあったりして、そうならいっその事無視していたいのですが、性格上気になってしまうのでそれも出来ません。しかも、しかもこういう時に限ってやたらと他の事に首を突っ込みたがる私の性格はどうにかならないものか、と。或る種の逃避でしょうか。自分で自分が解らない。

最後の息子 / 吉田 修一

  • 2004-07-13 火曜日
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 三つの短編からなる本。今回は文庫のジャケットで。・・・表題の " 最後の息子 " の主人公は自分の卑しさを清々しいほどに受け入れていて、心地良ささえ感じる。私からすれば羨ましいとも思う。かと言って決して天動説的でハタ迷惑な精神の持ち主な訳ではなく、きっちりと、冷静に、他人に自分が与える影響を計っている。言わば確信犯的な人生ゲームといったところか。自分は誰かを利用しているし、その誰かも自分を利用している。例えそれが生活上の僅かな機微であっても、それで関係のバランスは取れているし、それ以上に何かを望むべくもない。独りではない暮らしというものは、得てしてそういう事の繰り返しであるのかも知れない。
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参議院選挙には甘い果実を添えて

 昼一で行って来ました。黄色いTシャツにカーキ色のパンツにサンダル履きで、近所の小学校まで。前回の衆議院選挙の時には有権者の近所の住人の人々が投票を並んで待っているほどだったのですが、今回は僕を含めて5人くらい。雨も降りそうだったし、皆午前中に済ませてしまったのでしょうか。

 比例代表制の名簿に喜納昌吉の名前を見つけました。そう言えばそんな事言ってたっけな。僕はこの人の名前を見ると、ずっと以前に何処かで読んだ逸話を思い出します。かなりうろ覚えですけどね。
 地元でミカドというクラブを経営していた彼は或る日、沖縄県警の摘発を受ける。麻薬不法所持。当時大麻がクラブ内に蔓延していたという。しかし彼は独りで罪を背負い、沖縄刑務所へ入獄する。同年に沖縄は日本国へ復帰する。しかし当時の仲間は誰一人として面会に来なかった。それどころか皆姿を消してしまった。彼は仲間に裏切られ、絶望の淵から突き落とされる。獄中での彼は哲学書に救いを求めたという。翌年、出所。それから数年後に彼は " 喜納昌吉 & チャンプルーズ " を結成する

 僕は彼の作る音楽に心酔している訳でも、彼の活動に諸手を挙げて賛同している訳でもない。しかしこのエピソードが、彼を何処ぞで見かけた際にはいつも思い出される。どんな男なのだろう、とその事だけをいつも考えている。

Degustation a Jazz / 菊地 成孔

  • 2004-07-09 金曜日
  • Category - Art
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 暫く前にジャケ買いしたアルバムです。それまで全く知らなかったのですから、やはりジャケ買いです。裏を返してみればカヒミ・カリィとか UA とか参加していて、何だこりゃ的な感想を持ったくらいです。内容はなかなかにエキセントリックで普通には聴けません。普通には聴けないので余り聴いていませんでした。それが何故か今日は仕事中に iPod で聴いて、夜にはパワーブックで聴いています。気に入ってきました。Amazon のレビュー評価は良くない。結構厳しい事書かれてます。確か帯にも記されていたと思うのですが(買ったその日に捨ててしまうので)、「僕が跪く神はやはり偉大なる黒い太陽に照らされたジャズだけだ」という台詞がちょいとイカしてます。
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Masquerade

 今朝は陽射しが強いせいか、車窓にはブラインドが引いてあったので荒川の景色を眺める事が出来なかった。そんな日も在る。加えて書くなら、今朝はいつもの美人を一人も見かけなかった。そんな日も在る。口を開けて居眠りしている40男のドラえもん柄のネクタイを眺めてもさして楽しくはない。そんな中思い出した事が一つ。今年になってからは見かけていないが、時々アイマスクを付けて寝ている男を時々見かけていた。こちらも40過ぎくらい。いつも黒のスーツを着ていて、体格が良く、肌は白くつやつやしていて、禿げていた。そんな男が完全遮光のアイマスクをつけている姿は何処か異様だ。僕なんかはそこから色々な事を想像してしまう。仕方がない。どう考えても朝には似合わない雰囲気なのだ。ハーネスでも付けているのではないかと、襟元を見てみるのだが首には何も巻いていないようだった。たまにこういう人が居ると楽しいんだけどな。暇潰しになる。

Arakawa River

 僕が毎朝乗る電車は荒川を越えて都心へと向かいます。もう長い間、数千回もその光景を見ている訳ですが、最近になって今までになく熱心に眺めています。河岸に寄せられた小型の船舶が数隻。河川敷を犬を連れて歩く老人。土手のサイクリングロードをタオルを首に巻いて走る年配の女性。等々の光景が毎日少しずつ違った形で見る事が出来る。確かに同じ川である事には違いないが、その日の天候に依って印象は様々だ。それらを毎朝確認するような感じで、僕は密かな楽しみとしている。例え気に入った本を読んでいたとしても、電車の先頭車両が鉄橋に差し掛かると僕は頁から顔を上げ、川面に視線を向ける。たまに、カモメが水面すれすれの高さで飛んでいるのを見かける。彼等が描く緩やかな曲線に見とれている内に電車は鉄橋を渡りきってしまう。そして僕は再び頁に目を落とす。やがて、電車は地下の暗がりへとその銀色の車体を滑り込ませる。

Tokyo Straw Life

 今日は朝から熱っぽく、それでいて午後から六本木・恵比寿・青山を歩いたので、途中何度も休まなければなりませんでした。アスファルトの上、シャツを汗で汚しながら歩く僕は、自分の身の上をほんの少し案じたりしましたが、どちらに転んでも結局大した事はなさそうなので考えるのをやめました。東京メトロ日比谷線。もう放課後の時間なのか、何処かの女子高の生徒達がたくさん乗り込んで来る。僕のすぐ側に立った三人組は、これから渋谷にでも出るのだろう、一様にスカートをたくし上げ短くしている。彼女達の即席の戦闘服だ。電車が揺れ、その内の一人の子がバランスを崩し僕に寄りかかってきた。「すみませーん。」よそ行きの声で見上げてくる。反応するのが面倒で、僕は気付かない振りをした。外界を遮断するつもりはなかったが、行動の稚出さが癪に障る。薄暗いコンクリートの壁を眺めるのに飽きた僕は、鞄から本を取り出し読む事にした。現在、恵比寿駅内にある本屋で買った、吉田修一の " 最後の息子 "を読んでいる。

東京湾景 / 吉田 修一

  • 2004-07-03 土曜日
  • Category - Art
  • Tag -
 今、この小説を読む事が出来て良かったなあと思う反面、今それ言われると痛いなあとも思う。たまにこういう印象を受ける本や映画や音楽に出会う。それらが放つ情報と僕が受け入れようとする情報の間で、合致するコードが多いからなのだろう。それにしても、この小説家は人の感情と事象との織り込み方が巧い。非常に映像的だ。ひねくれた見方をすれば、映像化し易いだろうなあ。ドラマ化されるみたいだが、これだったら脚本家は要らない。すごくよく出来てる。機会があればドラマも観てみよう。お台場から見た品川埠頭の光景も映像化されるだろうから、それが観たい。この小説の主人公もとても気に入った。
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