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October 2005
遠景
慌ただしく通り過ぎる雲の向こう側。煌めきを匂わせるビル群と、それに覆い被さろうとする夜。食い入るように見つめていた空は低く、圧縮された出口のように、その間口を狭めていく。鋭く点滅を繰り返す黒いヘリコプターが空を横切る。何度修正しても、行く筋は定まらない。かつては其処に一体何を見つけようとしていたのか。何を手にしようとしていたのか。その欲求は、驚くほど急速に萎んでしまった。やがて緞帳のような夜が降りてくる。光など、見えなければよかったのに。
馬の骨 / 馬の骨
キリンジの堀込泰行のソロ・プロジェクト。キリンジの音と比べてそんなに大きく違っていないところを見ると、実は弟泰行が殆ど作っていたのだろうか。全体を通して聴いてみれば、やはり先行シングルとして発売されている「燃え殻」と「センチメンタル・ジャーニー」が秀逸である。「センチメンタル・ジャーニー」などは、ナイアガラ・トライアングル辺りの要素を色濃く取り入れているなあ。と思っていたのだが、アマゾンのレビューを読んだりすると、その存在は日本のソフトロック(初耳だったが)の範疇に入るとか。そんなもんかなあ、と読み流しつつ Elvis Presley のカヴァー「 I Want You, I Need You, I Love You 」を聴いている。ギター一本で、ただ好きなだけで歌っているような感じで、良い。
Unrest. / Rei Harakami
薄明の空
誰かの苦しみを取り除きたくて、君が悪い訳ではないと言いたかったのに、実際に僕がしたのは自分の傷を見せる事であった。それしか思いつかなかった。それしか見せるものがなかった。結果、余計に誰かを苦しめる事となる。
確か、15年前にも同じような事をしてしまった覚えがある。それは今なお後悔し続けている。現在の僕が15年前の僕に向かって尋ねるように、未来の私が現在の私に向かってこう尋ねるだろう。それで、一体誰が幸せになれた?
確か、15年前にも同じような事をしてしまった覚えがある。それは今なお後悔し続けている。現在の僕が15年前の僕に向かって尋ねるように、未来の私が現在の私に向かってこう尋ねるだろう。それで、一体誰が幸せになれた?
蛍姫 / 藤堂 志津子
秋の陽は其処や彼処に人知れず
流るる季節を指し示す旗
横町を右に左に彷徨き廻る
探し求むる偶然の空
雨音を枕に描く水彩画
匂い立つのは記憶の花
歌舞伎町の女王 / 椎名 林檎
この表曲「歌舞伎町の女王」をラジオを聴いて、一発で椎名林檎が好きになってしまったのだが、今回はその曲の話ではない。裏曲の「アン・コンディショナルラヴ」の話である。英題「 Unconditional Love 」からそのままのカヴァー曲で、クレジットは Cyndi Lauper になっているから彼女の曲なんだろうけど、僕は聴いた事がない。先ほども iTMS で探してみたが、同じタイトルの曲を歌っている人はたくさん居るのに、シンディ・ローパーの名前だけ出てこない。なので未だに原曲を聴かないままでいる。タイトルを和訳すると「無条件の愛」だとか何の捻りもない大袈裟な言葉になってしまうが、椎名のこの声を聴いていると、実は自分にもこうまで切実に欲している何かが在るのではないか、という気がしてくる。そしてこの曲のもっと怖いところは、後ろの方で小さく聞こえている効果音が、そこだけ拾って聴いていると本当に鬼気迫る感じで、何か(誰か)を求める切実さが、実は恐怖に裏打ちされているような気さえしてくる。
大好きな曲であるが、こういう感じの曲なので、そうそう頻繁に聴きたくなるものではない。













