苔と睡眠薬〜ハルシオン組曲〜
Muxtape から 8tracks に変更した為に掲載し直す。それとなく教えてくれた(のだろう)人に感謝。
★
その昔、頻繁に人に自分が好きな曲を薦めていた頃「日本語じゃないの?」とか「私こういうウィスパーボイス駄目なのよ。」とか、果ては「よくわからん。」とか「暗い。」とか、もう色んな言葉でダメ出しをくらう訳なのだが、その中で「眠くなる。」というのがよくあった。そりゃあまあ、皆10代半ばから20代初めくらいの年齢であったので、つまりその年齢の連中というのは男も女も、自分を興奮させてくれるものにしか興味を示さない傾向があるので仕方のない事なのだけれど。そう言えば若干一名、そういうのを好む奴が居たんだけど、そいつとは高校から別になってしまっていた。
僕が未だ福岡の大学に通っている頃、福岡天神にある天神コアという商業ビルの7階に当時在ったライヴハウスに SION が巡業に来た。アコースティックギター一本で弾き語るツアーで、開催時が丁度12月だった為かアンコールで客達は「12月」を所望した。リクエストに応え彼は「では、12月、聴いてください。眠りたい人は、寝てください。」と言って歌い始めたのであるが、僕はその時初めて、音楽を聴きながら眠くなるというのは決しておかしな事ではなく、場合によっては人が眠る為の音楽が存在しても良いのだという事を確信した。後年、 J. S. Bach が不眠症のパトロンの為に作曲したゴールドベルグ変奏曲の存在を知って更に安堵した。ま、個人的にはこの曲では眠れないんだけどね。
僕はいつも眠い、昔からずっと。20歳くらいの頃に不眠症になりとても辛い時期を過ごした経験から、僕は余程の事でもない限り眠る事を何よりも優先させる。治らない飲酒癖もその頃からの習慣だ。
そして35歳を越えた頃から、夜眠る前に派手な音楽(やたらと高音が効いているやつとか、ビートが早いヤツとか)を聴きたいとは余り思えなくなった。洋楽でも邦楽でも、歌物でも器楽曲でも、どんなジャンルの音楽でもそれは関係ない。夜にそぐわない音は違和感しか感じない。細かい事を言えば、極度に疲れている場合は事情が少し違ってくる。一度興奮状態に持っていかないと眠れない。
さて、またしても前置きが無駄に長くなったが、僕の最初の「マイ・フェイバリット・テープ@WEB」は心地良く眠る為の楽曲集である。これだけ書いておいて何だが、僕の思い入れなどとは関係なく、それぞれにお楽しみ下さい。
Moss and Sleeping Drag - Halcion suite -
そして以下ににそれぞれの曲のライナーノーツみたいなものを記します。
みんなもこれ聴いて仕事や SEX の最中に居眠りとかしたらいいじゃない!
★
その昔、頻繁に人に自分が好きな曲を薦めていた頃「日本語じゃないの?」とか「私こういうウィスパーボイス駄目なのよ。」とか、果ては「よくわからん。」とか「暗い。」とか、もう色んな言葉でダメ出しをくらう訳なのだが、その中で「眠くなる。」というのがよくあった。そりゃあまあ、皆10代半ばから20代初めくらいの年齢であったので、つまりその年齢の連中というのは男も女も、自分を興奮させてくれるものにしか興味を示さない傾向があるので仕方のない事なのだけれど。そう言えば若干一名、そういうのを好む奴が居たんだけど、そいつとは高校から別になってしまっていた。
僕が未だ福岡の大学に通っている頃、福岡天神にある天神コアという商業ビルの7階に当時在ったライヴハウスに SION が巡業に来た。アコースティックギター一本で弾き語るツアーで、開催時が丁度12月だった為かアンコールで客達は「12月」を所望した。リクエストに応え彼は「では、12月、聴いてください。眠りたい人は、寝てください。」と言って歌い始めたのであるが、僕はその時初めて、音楽を聴きながら眠くなるというのは決しておかしな事ではなく、場合によっては人が眠る為の音楽が存在しても良いのだという事を確信した。後年、 J. S. Bach が不眠症のパトロンの為に作曲したゴールドベルグ変奏曲の存在を知って更に安堵した。ま、個人的にはこの曲では眠れないんだけどね。
僕はいつも眠い、昔からずっと。20歳くらいの頃に不眠症になりとても辛い時期を過ごした経験から、僕は余程の事でもない限り眠る事を何よりも優先させる。治らない飲酒癖もその頃からの習慣だ。
そして35歳を越えた頃から、夜眠る前に派手な音楽(やたらと高音が効いているやつとか、ビートが早いヤツとか)を聴きたいとは余り思えなくなった。洋楽でも邦楽でも、歌物でも器楽曲でも、どんなジャンルの音楽でもそれは関係ない。夜にそぐわない音は違和感しか感じない。細かい事を言えば、極度に疲れている場合は事情が少し違ってくる。一度興奮状態に持っていかないと眠れない。
さて、またしても前置きが無駄に長くなったが、僕の最初の「マイ・フェイバリット・テープ@WEB」は心地良く眠る為の楽曲集である。これだけ書いておいて何だが、僕の思い入れなどとは関係なく、それぞれにお楽しみ下さい。
Moss and Sleeping Drag - Halcion suite -
そして以下ににそれぞれの曲のライナーノーツみたいなものを記します。
- 01. ランチ / くるり
アルバム「さよならストレンジャー」から。四畳半フォークどころか縁側フォークとでも呼べそうな近接感。とは言え曲調はフォークでもないんだけどね。自分の生活がちゃんと自分のものであると感じられる気がしてくる。 - 02. 向日葵はゆれるまま / 小沢健二
アルバム「犬は吠えるがキャラバンは進む」から。ピアノと手拍子だけの伴奏で歌う泥酔音楽。最後のバーカウンターから崩れ落ちるようなところがとても良い。 - 03. imagine / Gonzalo Rubalcaba
キューバ人のジャズ・ピアニスト。アルバム「 imagine 」から。この曲聴いている限りではジャズを演っているようには思えないが、何となくアメリカ南部の匂いがする。それかホテルのバーで宿泊客の為に弾いているピアノ弾き。 - 04. Turn me on / Nolah Jones
アルバム「 Come away with me 」から。こういうアメリカ南部っぽい曲は眠りに有効なのか。それにしても Turn me on とはどういう意味なのだろうか。Light my fire とかと近いニュアンスなのかな。 - 05. On & ON / Erykah Badu
随分前に知人から「こういうの好きでしょ?」と薦められた曲。確かにストイラク。こういう夜の夜中に街のどこかで歌われているような曲は堪らなく好きである。 - 06. Amai kage / Ego-Wrappin'
ミニアルバム「 His choice of shoes is ill ! 」から。このアルバムに続く「 Swing for joy 」「 色彩のブルース」を含めてのこの場末な感じ、夜に紛れて棲息する人間の呟きは疲労と眠りを心地良く混ぜ合わせる。 - 07. タイムマシーン / Chara
アルバム「 Junior Sweet 」から。この曲を聴いていると僕は何故か武蔵野の夜を思い起こす。とは言っても僕は夜の立川や福生の辺りを友人の車で走った事がたった一度あるだけなのだが、どうしても思い浮かぶのだから仕方がない。 - 08. Lei Pikake / Hapa
アルバム「 Hapa 」から。スラックギターを習得したくてハワイに移り住んだアメリカ本土人と現地ハワイアンのデュオ。現在ではメンバーの入れ替え(ギターそのままヴォーカル変更)があったのだが、この頃はまさしく南国の天上の歌声である。 - 09. 中央線 / 矢野顕子
アルバム「 Super Folk Song 」から。もともとは The Boom の曲で、それもなかなか良いのだけれどこっちの方が夜が深い。僕は東京の東側に住んでいるのでJR中央線に関しては馴染みがないのだけれど、その光景は十分に想像出来る。 - 10. 家族の風景 / ハナレグミ
アルバム「音タイム」から。永積タカシの声は本当に耳心地が良い。それでいて家族の事など謳われたらしんみりとしてしまって思わず枕と毛布を探してしまう。弟達にも聴かせてやりたい。 - 11. Tom Traubert's Blues / Tom Waits
アルバム「 Small Change 」から。高校生の頃、同じデッサン教室に通って来ていた女の子から貰った My Favorite of Tom Waits の中に入っていて、それを聴いて以来ずっと好きな曲。ダミ声で歌う子守歌。 - 12. オンブラ・マイ・フ / 村治佳織
アルバム「シンフォニア」から。原曲はヘンデルのオペラ。木陰への愛を謳ったものであるらしい。という事からも伺えると思うが、僕にとっては最高の午睡曲。そう、午睡の為の楽曲なのである。その部分がどうも引っかかるのだけれど、今回はそこまで分けて纏める事が出来なかった。
みんなもこれ聴いて仕事や SEX の最中に居眠りとかしたらいいじゃない!
- Last modified : 2008-11-15 22:10
- Newer : 青画〜悲哀の行き先〜
- Older : 視覚的言語感覚
Comments
けど間接照明みたいで心地よいです。
TrackBack
- TrackBack URL for this entry
- http://www.doggylife.org/dob/20080529.trackback
- Listed below are links to weblogs that reference
- 苔と睡眠薬〜ハルシオン組曲〜 from DOG ON THE BEACH
このエントリにトラックバックはありません
このトラックバックURLを使ってこの記事にトラックバックを送ることができます。
もしあなたのブログがトラックバック送信に対応していない場合にはこちらのフォームからトラックバックを送信することができます。
トラックバックは承認制ですのですぐには反映されません。










