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April 2004

Missing / 本多 孝好

  • 2004-04-30 Friday
  • Category - Art
  • Tag -
 ずっと以前から書店に平積みされ、彼方此方の書店で薦められているのは知っていましたが、やたらと薦められるとウザったく思うし、表紙のデザインが喜多嶋隆っぽいので敬遠していました。しかしとうとう一昨日くらいにイトーヨーカ堂に入っている本屋で手に取りました。此処で紹介しているのは単行本ですが、僕が買ったのは文庫本です。Amazon には文庫本の画像しか用意されていなかったので、仕方なく文庫本の情報を使用しているに過ぎません。新刊でもないのに単行本は買いませんよ。物として所有したい場合は別ですが。

 この本は短編集です。ミステリ仕立てなので、最後にそれぞれの事件の真相みたいなモノが主人公の口から巧妙に語られますが、これまでの古来(私が読んだミステリ物のこれまで)のミステリのように、複雑に絡む事情の糸を解きほぐすような解釈の仕方ではなく、残酷なまでに当事者の感情に迫る訳です。本当はどうしたかったのか? どうして欲しかったのか? 容赦ないです。人の持つ欲求(希求と混同した)の深淵をちょっとだけ覗き見てみたい人にはお薦め。

追記:単行本は表紙デザインは喜多嶋隆っぽくはありません。ぽいのは文庫本。

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Love, day after tomorrow / 倉木 麻衣

 少し前に CD を整理していた時に(背表紙が無い為に普段は気付かないが)CD シングルをやけに持っている事に気付いたのです。椎名林檎とか宇多田ヒカルとか Cocco とか。発売日を調べるとほぼ同じ時期なので、何か僕の中で流行っていたのでしょうか。自分でもよく原因が掴めませんが、まあ、そういう時期だったのでしょう。しかしその中でタイトルの CD が混じっていました。・・・思い出しました。確か 1st シングルだったと思うのですが、FM から流れてきたのを聴いて「おお!」とか思って買ったのを覚えています。でもその一枚しか持っていないところをみると、あっという間に興味を失ったようです。

 実は去年の秋に沖縄へ出張した際に、58号線を車で那覇市へ向かって走っている時に FM 沖縄でこの曲が流れたのです。夕方頃営業先からホテルへ戻る途中の事。右手に水平線、灰色の雲にオレンジ色の光が混じり、まるで空が燃え落ちて来るような光景を車窓から眺めながらこの曲を聴いていました。「切なくて良いメロディだなあ」と(同行している社長と後輩の存在など忘れて)思い、東京に戻ったら是非 CD を手に入れようとメモっていたのですが・・・それっきり忘れていました。はは。まさか既に持っているとは・・・。

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虚の王 / 馳 星周

  • 2004-04-21 水曜日
  • Category - Art
  • Tag -
 読み終わりました。体調崩しているくせに何故こんな刺激の強い小説を読んでいるのか自分でも不思議。そういう時期なのだ、としか言いようがない。
 さて、この小説は渋谷を舞台にしていて、元チーマーで今は覚醒剤の売人という少年と、女子高校生売春組織を仕切る男子高校生が主軸となった物語で、それにサポート校の女性教師、その生徒のストリート雑誌のモデルの女子高生が絡んで行きます。この人物設定だけでもロクな事にならないのが想像出来てしまうという、或る意味大変分かりやすい小説です。そして予想に違わず、登場人物達は破滅に向かってひた走る訳です。嫌だろうが怖かろうが痛かろうが未来が無かろうが目の前に自分の死体がブラ下がっている気がしていようが、とにかく前へ進むしか道が無い。そういう小説です。氏の小説はだいたいそんな感じです。そういうのがお好きな方はどうぞ。読んで気分が良くなる事は有りません。ただ、妙な開放感は有ります。それはきっと、異常(と思える)な世界から視線を上げた時に、自分の身を置く世界の正常(と思える)さに、ほっと胸を撫で下ろすからなのでしょう。
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Gangs of New York / Martin Scorsese

  • 2004-04-19 月曜日
  • Category - Art
  • Tag -
 結構好きなんですよ、ギャング物って。「ゴッド・ファザー」「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」とか。この映画は前述の二作品に比べるとやや感傷的な感じ。ずっと以前に観た、同じくダニエル・デイ・ルイスが出てる「エイジ・オブ・イノセンス」もこんな感じでした。大がかりな映画を手がけると少々緊張感に欠ける気がします。「タクシー・ドライバー」はそんな事なかったんですが。都市の夜の濃密さ、深さが良く描かれていて、もう路地の匂いまで嗅げるくらいにリアルでした。話が逸れましたが、この映画も冒頭でいきなり集団での殺戮合戦が映し出されるものだから、観ていてどうしようかと思いました。

 ケチを付けてばかりでは話が面白くないですね。この映画の舞台は19世紀のニューヨーク。港には頻繁にアイルランドからの移民を乗せた船が着き、南北戦争で国は荒廃し、中国人のコミュニティーは既に各所に存在し、混沌と暴力が街や社会を形成する僕達には縁遠い世界の話です。こういうのはワクワクします。物語の主軸は父親の敵討ちなのですが、正直僕はそんなのはどうでも良くて、混沌の中の人間の正直さ・愚かさを観ていられればそれでOK。この映画の最大の収穫はそこでしょうか。
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Candyman / Kahimi Karie

 今週末も病んでおりまして、さして酷い症状が無いながらも閉じこもっておりました。更に本日は随分と体力も回復して来たように思えたので、半年前からやろうやろうと思ってはいるが一切手を付けていなかった CD・ミュージックテープ・ヴィデオの整理に取りかかりました。ミュージックテープは必要なモノは既に MD にコピーしていたので全て破棄。ヴィデオは買ったモノ数本を除いて、ダヴィングしたモノは全て破棄。ここまでは簡単。問題は CD 。捨てようと考えているモノは粗方検討をつけてはいるが、二重に重ねて並べているので全部引っ張り出さないと、目当ての CD が何処に在るのか判らないという状態。仕方がないので、取り敢えず全て取り出してベッドの上に並べました。そして「コレはもう要らん。」と思える CD を選り分けていく作業に取りかかります。面白いもので、中身の曲を一曲も思い出せないのってありませんね。本だとそれは時々あるのですが。

 数年前に一度 CD を整理した際にも思った事ですが、CD ってなかなか捨てられません。今では全然聴かなくなったモノでも「捨てる事はないじゃないか。」とか「それはまだちょっと・・・。」とか思ってしまってなかなか選り出す事が出来ません。それに比べて本は結構簡単に捨ててしまいますね。何故でしょう。ま、そんな感じで結局40枚ほど捨てる事にしました。でも全然減りません。一体この部屋には何枚の CD があるのでしょう。勿論面倒なので数えたりはしません。

 CD を整理していて意外に思ったのは、カヒミ・カリィ嬢の CD を何枚も持ってました。何故持ってるのでしょう。て、自分で買ったからに決まっています。買った記憶もあるし。あ、よくよく思い出してみると、この曲の入ったシングル CD をジャケ買いして初めて聴いた時のショックは忘れられません。いや忘れてました。思い出したのです。もの凄い羞恥心に見舞われ、何だか聴いてはいけないモノを聴いてしまった気がして途中で止めた記憶があります。ま、直ぐに慣れましたけどね。

 追記:慣れたというのは嘘かも知れません。今聴いてもかなり衝撃が走ります。

細雪 / 市川 崑

 元々、谷崎潤一郎氏の原作を好きで読んでいたせいか、原作との差が気になってしまって楽しめなかった部分があり、ちょいと残念。原作は上・中・下巻在る長い物語なのですが、それを二時間程度に切り詰めているのでテンポがやや早すぎる感じがするし、原作が感情の振り幅の少ない質感(僕はこの部分が気に入っている)を持っているのに対し、この映画の方はやや叙情的である。そして何より僕が気になってしまうのは雪子役が吉永小百合嬢であるという事。原作の線が細く神経質な面持ち、という印象をどうしても重ねる事が出来ない。この映画で細雪が映画化されるのが三作目という事だが、他の二作が気になるところ。

 さて、くどくどと文句を並べましたが、基本的にこの映画好きです。映像が美しいのです。京都の零れんばかりに咲き乱れる桜や、階上の料亭の部屋に斜めに低く差し込む陽射しの柔らかさ、四姉妹の身につける着物の艶やかな色彩とか、彼女達の絶妙な表情とか。あ、それと石坂浩二氏の妙に調子の良いキャラクターが気に入りました。
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