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May 2008

津軽三味線とフラメンコギター

 昔何かの折に「津軽三味線とフラメンコギターって似てるなー」と思った事を今日久しぶりに思い出した。度々そうは思っていたのだが、ただそう思うだけでその理由を探ったりせずにこれまで来た。しかし今日はちょいと探りを入れてみた。
 ネットで検索してみると、同じ様に感じる人は割と居るようで幾つかヒットした。例えば、津軽三味線を聴いたとあるフラメンコ好きの女性はこう書いている。
西洋音楽の平均率ではとれない 音の波 鼓舞し 節回し  フラメンコと似ている。津軽三味線に魅せられて ジャパメンコ!/ Happybirthday!より愛を込めて
 そして別なギター弾きであろう男性はこう書いている。
 「津軽じょんがら節」「津軽よされ節」「津軽あいや節」と伝統的な3つを見たんですが、中央に三味線、向かって右にお囃子(歌か)、向かって左に打楽器がありました。これ、メンコとほとんど一緒ですね。カンテや、カホンがギターのサイドにいる感じと。
視覚的にも似てるけど、三味線もギターも「歌」の伴奏から(メンコはバイレの伴奏も)始まったという歴史的発生という点においても似ているのです。
 共通点を挙げればキリがないくらい出てきます。弦楽器であることは言わずもがな、メンコの「形式」に津軽三味線の「節」が対応すると考えられるし、独特のリズムを持つという点も。
 音という意味で聴覚的にも、ファルーカなんかは演歌に近い雰囲気もあるし・・・Panorama / Wash Away
 上に書いてあるように音数の多さや叩き付けるような弦の弾き方だけでなく、歌い手の節回しも似ているのだ。蛇足を加えると、津軽に限らず日本民謡はカンテ(フラメンコに於ける歌の部分)は似ているし、コーランの詠唱にも似ていると僕は思う。これも同じように感じる人はいるようだ。

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 さて、これらは何故似ているのだろうか。偶発的に似たようなものが離れた地域で発生する可能性を否定出来るものではないが、それでは話が面白くないので、飽くまで繋がっていると考えたい。歌い方に関しては、どう考えても一番歴史が古そうなコーランから伝播したと考えるのが妥当だと思う。弦楽器の伝播については諸説あるようでよく判らないのだけれど、Wikipedia での津軽三味線の記述の中にはこうある。
 弦楽器そのものの発祥は中東とされる。その後構造的に変化しながら、インドを経て中国に入り、中国南部において「三絃」が成立。この「三絃」が沖縄を経て畿内に持ち込まれ(異説あり)、江戸時代中期に日本独特の三味線となった。以降、三味線は日本各地の土着芸能と融合して様々に発達し、当時日本最北端であった津軽地方において津軽三味線となる。Wikipedia
 これもやはり出所は中東なのか。という事は弦楽器と共に歌い方も、中東から西の欧州へそして東のアジアへと伝播されたと考えるべきか。しかしそれにしては、コーラン・フラメンコ・日本民謡以外の、伝播する際の途中の地域にそういう歌い方が存在するという事実を僕は知らない。まあ僕が知らないだけという事かも知れないが、少なくとも僕は聴いた事がない。

 色々と記事を漁っていると別な考え方も出てくる。この記事では津軽三味線とフラメンコギターが似ているとしつつも、その理由に似通った社会的な状況の下に育ったものであるともしている。
 フラメンコを生んだのは、ヒターノ(ジプシー)だ。差別され、虐げられてきた歴史がフラメンコには秘められている。われわれ東北人も長いあいだ差別され、虐げられてきた。なにしろ、ほんの20年くらい前までは、「日本のチベット」などと呼ばれていたのだ。
 そんな東北で、さらに差別を受けていた人々が津軽三味線を生んだ。そういう共通点がある。
(中略)
 津軽三味線の歴史は、大條和雄氏の長年の研究によって、ほぼ明らかになっている。それによると、津軽三味線は明治期に誕生している。津軽三味線が登場する以前、日本には雅楽を除いて「器楽曲」はほとんどなかった。津軽三味線は日本音楽史において革命的なものと言っていい。同様にフラメンコ・ギターの歴史も、われわれが思っているほど古くはなく、おそらく津軽三味線と同じくらいの歴史らしい。ただし、津軽三味線にもフラメンコ・ギターにも、それぞれその源となる音楽がもちろんあった。フランメンコ・ギターと津軽三味線〜アントニオ・ガデス舞踏団への旅2
 虐げられた人間の作る音楽が、場所を変えても同じ様式を持つようになるとは思えないが、音の強さや激しさは共通するかも知れない。僕がネットで調べたくらいで証明されるような簡単な話ではないとは思うが、何だか非常に興味を持ってしまう。スペイン研究者の古屋雄一郎はこう書いている。
 フラメンコを習う人が日本には本当に多い。(中略)ユーラシア大陸の中央を発したジプシーが、西はアンダルシーアへ、東はツガルへ向かった、荒唐無稽な伝説ではあるけれど、信じたい気持ちがするし、なにより歓びを感じる。津軽とフラメンコ / フルヤな部屋
 本当に無茶な話だけれど、そうであってくれたらどれだけ楽しい気分になれる事か。遠い過去の事だとはいえ、自分が属するものと全く別な何かが繋がるというのは嬉しいものである。
Mirror to We Are Boogie

男はつらいよ〜寅次郎かもめ歌〜 / 山田洋次

 ここのところ、僕の中で伊藤蘭が流行っている。対抗意見保持者として赤枕十庵氏とプチ論争を起こしかけて途中放棄したり、KS氏と伊藤蘭の顔の造作や表情に見られる色気を子細に研究したりしている。きっかけは何だっけな。確か日本放送福山雅治がやっている魂のラジオを聴いていたら、アミューズの会長大里洋吉(一時期は渡辺プロダクションキャンディーズのマネージャーをしていた。)がゲスト出演した際に当時のキャンディーズの話をしていて、それがとても面白かったので色々とキャンディーズについて観ていたら、当時の伊藤蘭の表情の色っぽさが妙に気になって、それからというものすっかり魅了されてしまったのである。

 さて、伊藤蘭の美しさについての詳しい記述は他日に譲るとして、今回はその流れで観た映画の話。偉大なるマンネリ DT 映画シリーズ「男はつらいよ」である。舞台はいつものように東京は葛飾柴又と、北海道の奥尻島。そこで伊藤蘭は酒好きで博打好きのテキ屋の娘として登場する。それがもう可愛いったらありゃしないのさ、本当に。
 そして物語は進んで、すみれ(伊藤蘭の役名)が寅次郎と共に上京し、働きながら定時制高校に通う事になるのだが、或る日函館で働いていた時の恋人から下宿先でもあるとらやに電話がある。そこでそれを聞きつけたタコ社長がこう言うのだ。「もう出来たんだよボーイフレンド。近所のメッキ工場の工員か何か。色っぽいからね、すみれちゃんは。」それでおばちゃんが「あら、そうかしら?」と言えば、タコ社長は続けてこう言う。「女にはわかりませんよ、あの色気は。」と言い残して金策へ出かける。この台詞を聞けば、今僕がそう思うだけではなく、当時もそういう見方が多かったという事が判る。当時ったって1980年だが、色っぽいのよ、とにかく。
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Polyrhythm / Perfume

 暫く前からラジオから流れてくる音を気にしていたし、LSTY 氏がちょこっと書いていたりしたのを腕組みしながら読んでいたりしたのだが、この二週間ずっと体調がおかしいし、他にもしたい事や知りたい事や考えなくてはならない事がたくさん在ってどうしようもないのでずっと目を逸らしていたのだけれど、一昨日うっかりと PV を観てしまってからもう大変。一昨日昨日今日と僕の頭の中は Perfume で一杯になってしまった。自分の中に取り入れたものを何かしら吐き出していかないと前へ進めないので、取り敢えずエントリを書く事にした。

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 表題の曲、こういうの聴いてると僕は泣きそうになるのである。何故か。
 そう言えば以前にこの「泣きそうになる」という表現を或る女性の前で使ったら「泣きそうになるだなんて・・・泣くなら泣く、泣かないなら泣かないのどっちかじゃないんですか!」と怒られた。顔立ちが美しいだけに正直怖かった。僕は一体何故怒られたのだろうか。まあ、その話は今関係ないので横に置いておくとして、非常に気になる楽曲であるので、この曲を中心に色々を漁っていると Youtube で色々な人がアレンジ・リミックスしたものが上がっていた。面白かったので嫌がらせのように載せておく。

Polyrhythm ( Original ver. )


Polyrhythm ( Electric Model Hard Floor Mix )


Polyrhythm ( DJ Amaya vs. Groovebot Remix )


Polyrhythm ( Taisouegaomix )


Polyrhythm ( Taisouegao Vocalmix )


Polyrhythm ( Ksd6700 Mix )


Polyrhythm ( Time Killing Mix )


Polyrhythm ( Hard Floor Remix ) Remixed by K.466


Perfume + Cherryboy function - the endless polyrhythm lovers


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 さて、音楽理論については全く何も知らない僕はこの楽曲で Polyrhythm なるものを初めて知る。紹介されているドビュッシーのアラベスクを聴いてみたのだけれどよく判らないので、少し探してみるとこんなページを見つけた。ドラムのみで演奏しているので判りやすいと思ったのだけれど、確かにきりがない。何となくは判ったのだけれど、たぶん数値に置き換えるのが一番解りやすい気がする。勿論やり方は判らないが。
 要はそれぞれの周期のリズムを持つ複数種の要素が、偶発的に見える或る周期で同期するというイメージが気に入ったという事だ。要素が二つであるならまだ判りやすいのだが、要素の数が増えていくにつれて訳がわからなくなっていく。一本の時間軸の沿ってそれぞれ異なるリズムで撥ねるボールが、PV の中にも出てくるように DNA 組織のようなうねりをもって突き進んでいく。そんな立体的なイメージが頭の中を走り回って出て行ってくれない。
 それ故、上で紹介したものの一番最後のマッシュアップ。「 The Endless Polyrhythm Lovers 」というタイトルに非常に惹かれ、期待して聴いてみたのだけれど、どうにも浮いた音が多いし奥行きが無くて残念な感じだ。奥行きが感じられないのはパソコンで聴いているからかも知れないが。誰か Polyrhythm で一時間くらいの曲作ってくれないかなあ。

 Perfume に関しては、まだ続く。

夢二 / 鈴木 清順

 そう言えば鈴木清順の映画は一作も観ていないなあというのと、この映画のコマーシャルは昔観た事あったなあというのと、竹久夢二を描いたものなら観てみたいなあというので観てみた。主要人物は実在の人をモデルに、というか名前そのままなのだけれど性格等は実際とはあまり関係なく設定されているし、物語としても実際とは全く関係ない創作である。しかしそれはどうでも良いし、そもそも其処に期待はしていない。僕が DVD のジャケットを観た時に感じた、虚無感に苛まれた人間の色気。恐らくそれがこの映画全編に映し込まれているであろう予感に期待したのである。
 しかし実際に観れば、予想とは少し違い、人間の色気というよりその場の状況の色気が映されていた。湖や河川や森林の色気、舞台は金沢だがその町屋の造りの色気、手染めの着物の柄の色気、それを纏う女の色気。僕が大好きな世界がそこに映し出されていた。その他、金屏風の前に一輪だけ花が咲いた小鉢を台座に乗せて置いている様とか、赤く怪しく染み広がる揚屋のネオンのような灯りだとか、心打ち震えるような映像で満たされている。
 幾ら革命的な美であっても伝統的な美を踏襲すべきである。それを知った上で打破し利用するべきである。この映画を観ながら、そんな事を考えていた。
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