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DOG ON THE BEACH

濡れた舗道

 キャシャーンを観た後、朝から何も口にしていない事を思い出し、何か食おうとやんばるに足を運んだのですが、よくよく考えなくても別に腹は減っていない。でも取り敢えずラフテーそばを食った。全然味が分からない。いや味はするんだけど、遠い感じ。脳から興奮が消え去らず落ち着かないので歩く事にした。タワーレコーズとか紀伊国屋とかヨドバシカメラとか無印良品とか何か宛になりそうな場所に足を運んでみたが全て遠い。僕から遠く隔たっている。ますます落ち着かない気分になってくる。その内に夜が降りてきて焦るような気分で僕は尚も歩き続ける。そう言えば " ロスト・イン・トランスレーション " について他の人達がどう書いているのか彼方此方読み漁っていた時、スクリーンに映し出される新宿の風景を指して「外国人にはああいう風に見えるのかなあ」という記述を何度となく目にした。そうかな。いつも見ている普通の新宿の姿なんだけどな。僕は上京してこの方同じ風景を見続けている。いい加減に歩き疲れ、これ以上こんな事やっていても疲弊するだけだと思い部屋に帰る事にした。ああ、そうだ。僕は昔、毎日のようにこんな気分で過ごしていたんだっけ。その時のテリトリーは渋谷だったけど。

 部屋に戻ったのは良いが、興奮は鎮まらない。どうして良いのか判らない。しかし放っておけば今夜も眠れない気がしたので、強引に鎮める事にした。最近では滅多に飲まなくなった洋酒、今回はタンカレーを買い込み部屋に着いて直ぐにグラスに氷を入れ飲み始めた。全然酔えない。腹も減らない。煙草だけ吸った。日付が変わる頃にようやく酔いが回ってきたので、その勢いで眠った。

 目を覚ましてみれば幾らか気分は回復していた。しかし身の回りのモノ全てに距離を感じるのは変わらなかった。仕事や生活に支障を来す事は全く無く、平穏に過ごす事は出来たのだけれど、何かしら微妙にズレてしまったような気がする。妙な気分だ。しかしせっかくなので当分の間はコレで行こう。他の映像は暫く観ない方が良いかもな。

台風ロマンティカ

  • 2004-05-21 金曜日
  • Category - Days
  • Tag -
 台風の通過に伴い非常に低迷した感覚で過ごしております。通常ならば台風が来ると聞けば膝を打ち窓全開にてお出迎えするくらいにワクワクするのですが、今回は低気圧モードのまま落ちぶれていました。低気圧はですね、落ちるんですよ。そんなの僕だけかと思っていましたが、仕事上の付き合いのある女性に一人同じ症状の人が居ました。「私、ダメなんですよー、天気が悪いと。」なんてこの世の未来を憂うような面持ちで告白されました。2年前の話です。

 僕の話に戻ります。昨夜はパワーブックを開いて OS を立ち上げるに立ち上げたのですが、全てのヤル気は霧消してしまっているのでゴロリとベッドに横になれば、そのまま眠ってしまいました。午前3時まで。こりゃまた微妙な時間に目が覚めてしまったものです。さして何もする気にはなれないが、かと言ってまた直ぐに眠れる訳でもない。僕は窓を開け、風に煽られた雨音を聴いていました。この風に身を横たえ、ゆらり揺られて200海里、気が付けば見た事もないような世界の浜辺に漂着していないかなあ、などと夢想癖のある在りし日の少年よろしく考えておりました。しかし結果はと言えば、携帯電話の電子音に無理矢理叩き起こされ、見覚えのある白い天井を見つめながら「あら、今日は何をしなければならないんだっけ?」と否応なく現実に引き戻される始末。新しい世界など何処にも存在せず、擦り切れた日常がまるで川の流れのように僕を呑み込んでいきます。ああ。

 誰かの役に立とうとか(そんなのは仕事だけで十分)何かを得ようとか(足がかりが寸断されているし)全然興味が持てない(今現在酔っているし)ので、週末は出来るだけ無為に過ごしてやろうとか考えています。江戸川の辺で昼寝をするのも良いでしょう。手垢のついた本を紐解くのも良いでしょう。そんな風に二日間を過ごせばさすがに飽きてくるだろうし、週が開ければ仕事が待っているのでドツボにはまる事もないでしょう。そんなこんな(どんな?)の金曜日。

春の宵風

  • 2004-05-15 土曜日
  • Category - Days
  • Tag -
 こうやって窓を開け放って寝転んでいると、色んな音が聞こえてくる。電車が通り過ぎる音。近くに駅が在るので朝5時から夜中の1時近くまでひっきりなしに聞こえてくる。この部屋へ越して来て一年目はそれが気になって目が覚めたりしたが、二年目にはもう慣れていた。地元の駅は気に入ってる。地上にホームが二つと線路が4本在る。ホームから改札へは、階段を上り駅舎へ続く通路を渡る。改札も二階だ。出口へは階段を降りる。地味で懐かしい造りだ。階段を降りれば直ぐにパチンコ屋と煙草屋が在る。或る意味王道である。数年前にコージーコーナーも出来た。中華定食屋はその次の年に改装し5階建てのビルになった。踏切と交差する道を渡ると交番が在り、その隣には不二家が在る。去年、バスキン・ロビンスが併設された。下町にも、少しずつではあるがそれなりに変化は有る。

 ベランダから身を乗り出し直ぐ下を通る道を見下ろす。高校生くらいの男女が自転車に二人乗りで、大きな声で会話しながら走り過ぎて行った。爺が孫をなだめつつ歩いて行く。階下の鉄板焼き屋には今夜も客が良く入っているようだ。時々女性達の嬌声が聞こえてくる。向かいの家に二階の部屋の照明が夕方見た時には切れかかっていて点滅したいたが、その後取り替えたのか今は窓を白々と照らしている。昨夜からチェ・ジウのあの右の頬だけで笑う表情が度々思い出されて、気になって仕方がない。今夜放映されるから観てみようか。男達が大声で何やら話している。次の店に移る相談でもしているのだろうか。

 春の宵は柔らかく凪ぎ、やがて訪れるであろう初夏の匂いを孕んでいる。煙草の煙は暫くの間彷徨った後に、窓の外へと吸い込まれて行く。

School Girl Distortional Addict / Number Girl

  • 2004-05-14 金曜日
  • Category - Art
  • Tag -
 Zazen Boys の流れでコレ。もう随分と昔から聴いてるような気がしていましたが、まだ5年しか経ってないのね。暫く前までこういう系統の音が全然受けつけなくて、Bossa とか 大人しめの R&B しか聴けませんでしたが、今現在は(正確に言うと先週から)こんなんばっかしです。緻密で繊細な音より、荒々しく大仰な音。絶叫上等音量アップ。

 Amazon のおすすめ評価には「ニルヴァナ+ソニックユース+ピクシーズ+アルコール=ナンバーガール 」とあります。あら、僕はピクシーズは聴いた事ないや。思いついた単語を並べてたらますます訳が分からなくなってしまったような曲のタイトルや、くどいくらいに屈折した青春像を映し出す歌詞が好きです。向井氏が大した大酒のみであるのは周知の事実らしいですが(関係ありませんが)、8曲目の " 透明少女 " が最高ですわ。涙千切れるほどに。

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先送りの未来

  • 2004-05-11 火曜日
  • Category - Days
  • Tag -
 今日はロスト・イン・トランスレーションについて他の人達がどんな事書いているのか検索して回っていました。人ぞれぞれ、気に入った気に入らないビル・マーレイがどうのこうの HIROMIX がどうのこうの藤原ヒロシがどうのこうの並んで観るほどではないレンタルで十分などなど・・・僕を含め観て「感じた」個人的な都合を羅列しているだけである。別にそれで悪いという訳ではないが、5エントリも読めばもうお腹一杯。そんな中ちょいと印象に残るエントリが一つ在りました。灯台もと暗し、自分んとこにリンクしてる Sekiya 氏のエントリ(一部ネタバレ)にこういう記述が。
 普通に『東京は人が住むところじゃない』とかいう台詞が出るように、普段こんな状態、街としておかしいなと思いながらも日常は進んでいて、とりあえずそういう疑問はまた明日!って先延ばしになっていく。そういう日常と、非日常のピュアな出会い、ときめきというスパイス。でも若い頃ってそういうことが日常だったよな、と振り返ってもキスどまり。そして先送りの日常に戻っていく。その舞台となった先送りしながら歪んでいく東京はもはや、しょうがないのかもしれない。
 先送りの日常、という言葉が腹にズンと来ます。選択する事を放棄した惰性の日常。何も選択しないという事は、取り敢えずは何も失わないという誤魔化し。未だ日常の域に達していない非日常的な選択肢は、それを失っても最小限の痛手で済む。現実ではなく、数ある可能性の中のたった一つを消去したに過ぎないから。やがてそれは白く靄がかったカーテンの向こう側へ仕舞い込まれ、甘い唾液を提供する思い出となる。痛みと伴う現実として引き込むより、自ら手放した可能性として振り返る方を選び取るという術。失わず、何も手に入れられないという法則。Sekiya 氏は東京という街を指して書いていますが、それはあらゆる側面に蔓延しているように思えます。少なくとも僕の日常には。くるりの " ワンダーフォーゲル " という曲の歌詞にこう在ります。

ハローもグッバイもサンキューも言わなくなって
こんなにもすれ違ってそれぞれ歩いてゆく
 痛みもなく、喜びもなく、ただ繰り返していく日常。やがて無に帰すまでの長い道のり。私の手のひらには砂粒一つ残らない。

Zazen Boys / Zazen Boys

  • 2004-05-10 月曜日
  • Category - Art
  • Tag -
 兼ねてから彼方此方で「良い」と聞いていたので買ってみた。・・・良い。妙に良い。Amazon のおすすめ評価には「向井秀徳エレクトリック狂乱節」とか書いてありますが、まさにそんな感じ。Number Girl の時の Television とか 初期のTalking Heads とかに通じる音質はそのままで、言ってみればそれに落語が混じった感じ。変な例えですが。ナンバガのゴリゴリにブリティッシュなヤツも大好きですが、これも好き。最初聴いた時は「ふ〜ん」という感じでしたが、後から何故か聴き返したくなる。妙なバンドです。つうか感じ感じってうるせえな俺。
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Lost in translation / Sophia Coppola

  • 2004-05-09 日曜日
  • Category - Art
  • Tag -
 観て来ました。上映館がシネマライズだったので若いヤツらが多そうで嫌だなあ、とか思って少し迷っていたのですが、部屋に籠もっているのも嫌だったので結局出かけて来ました。
 主演のビル・マーレイが可笑しくて仕方がない。映画館であれほど笑ったのは久しぶりです。" Lost in Transration " というタイトルにコッポラ監督がどれほどの意味を込めたのかは解りませんが、案外そこら辺にありそうです。変わって主演女優のスカーレット・ヨハンソン。・・・好みです。系統で言えばソフィー・マルソーとかイザベル・アジャーニとかですか。その昔「アンニュイ」とかいう言葉が流行っていた時期がありましたが、そんな感じ。

 因みにストーリーは・・・個人的にはどうでも良いです。アカデミーでオリジナル脚本賞とか取ってますが、どうでも良い感じ。どういう映画なのか簡単に述べようとすれば、HIROMIX の写真を映像化したような映画、ですかね。彼女の写真が作り出す雰囲気が好きな人にはお薦め。というか本人出演してるし、雑誌でのインタビューでコッポラ監督の発言の中に度々登場するし、少なくともコッポラ監督は HIROMIX の写真が好きなようです。ま、でもここら辺は情報不足。他にも気になる事があるので色々調べてみよう。

 ところで・・・検索してて気付いたのですが、HIROMIX と名乗る人(男女とも)が数人いるみたいなのですけど、一体何なんだろコイツラ。

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