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DOG ON THE BEACH

パレード / 吉田 修一

  • 2004-06-23 Wednesday
  • Category - Art
  • Tag -
 この小説、マンションの2LDKの部屋に同居する5人の男女の物語です。各章、それぞれの視点で語られていく訳ですが、よくあるパラレルな構成ではありません。話は順番に、数珠繋ぎに進んでいきます。珍しい構成だなあ、と思いつつも今朝電車の中で読んでいる時までは、文体や会話が大変面白くて、それを楽しむように読んでいました。しかし、がしかし、それだけではなかったのです。丁度帰りの電車の中で読み終えるタイミングで、各登場人物がそれぞれの内情を吐露しつつ、何事も無かったようにこの小説は終わるんだろうなぐらいに思っていましたが、それは私の軽率な考えに過ぎませんでした。最終章の終わりに、もの凄いテンションまで持ち上げられ唐突に終わりを告げられます。そういう事だったのか! 私は最後の最後まで気付く事が出来ませんでした。良く出来た小説です。レイモンド・チャンドラーの " 長いお別れ " よりも、それまでがほのぼのとしていただけにショックが大きい。やられました。
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東京 / くるり

 早春のある日、住み始めたばかりの街は陽光が溢れ、冷たい風に誘われながら宛もなく歩いてみる。久しぶりに見る雲一つ無い青空。見上げた先には赤と白に塗り分けられた鉄塔が誇らしげにそびえ建っている。何処からか、アンプから直接聞こえて来るような柔らかいギターの音。これほどまでに優しく自分の人生に語りかけてくる音楽はそうはない。何度繰り返し聴いただろうか。何度繰り返し書いているだろうか。そしてそれは、僕が東京に生きている限り、これからもずっと続いていくのだろうな。

Sekiya 氏は先週の武道館のライブに行ったようですね。僕は大きな箱だと今一つ乗れない性分で、発表時にも「くるりを武道館で観ても仕方ねえよな。」とか思って頭から外していました。しかし、氏のエントリを読んで激しく後悔。・・・そうか「武道館」で「東京」か。それは全然想像していなかった。しかもラストの曲になんて・・・。実に悔しい。いーないーな。誰か録ってねえかな。それとも武道館ライブ DVD とか出ねえかな。

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Persian & Turkish Restaurant " ZAKURO "

  • 2004-06-20 日曜日
  • Category - Days
  • Tag -
 谷中銀座の入口(夕焼けだんだんの手前)の左側に在るビルの地下1階。あまり入口には見えない入口を潜れば、ペルシャ絨毯を敷き詰めたホール(と呼ぶのかどうかは・・・)が広がる。テーブルは30mmの木板が直接絨毯の上に鎮座している。つまり椅子は無い。絨毯の上に直に胡座をかいたり横座りしたりするのだ。しかも何故か客は全員民族衣装を身に纏っている。一瞬、何だかもの凄い場所に足を踏み入れてしまった気がしたが、気にしない事にした。同行した女性も異存はないようだ。取り敢えず席につき、メニューを拡げて物色していると、日本人の給仕さんが「メニューで選んで頂いても結構ですけど、コースの方がお得ですよ。食べきれないくらいの種類が出て来ます。」とおっしゃるのでそれに決めた。直ぐさまチキンスープが運ばれて来た。持って来たのは中東の出と思しき兄ちゃん。甲高い声で料理の説明をしてくれます。この人。給仕してくれるのは良いが、フザケた事しか言わない。女性客に対して「お嬢ちゃんたちーい!ナンも男もお代わり自由だからねー!」とか「生まれ変わったらー、プロポーズしていーいー?」とか「一緒にトルコにいこーう!」とかとか。本当に五月蠅い。が、オモロイ。一方男性客に対しては「まだ居るのー!コレ食べたらとっとと帰っちゃってー!」とか言いやがる。実に接客姿勢のハッキリした御仁である。しばらくすると、信じられない事に何処からか民族衣装を取り出して来て「これウズベキスタンの花嫁衣装ねー。そんな格好したんじゃ食べさせないよー?コレ着て!」とか言って、半ば強制的に着せられる。なるほど。どうりで。

 しかもこの兄ちゃん、お茶(此処ではシナモン茶か紅茶)を頼むと「仕事増やさないでよー。僕はフザケるのが仕事なんだからー!」とか言うし、「コレ、ウスベキスタンの料理。詳しくは知らないから聞かないでねー!」とか自分の責任範疇をよくわきまえていらっしゃる。天井には何故かミラーボールがキラキラと輝き、店内の BGM はアラビックのトランス系。もう本当に・・・テンションが高すぎるって。

 あ、肝心の料理の事を書いていませんでした。この店はペルシャ・トルコ料理と銘打っていますが、前述のようにウズベキスタンの料理も出します。基本的な食材は羊・山羊・鶏・豆類・トマト・乳製品です。今まで口にした事のない料理ばかりですが「これはさすがに食えない」とうようなモノはなく、なかなかに美味しい。一皿一皿は少なめだが、何しろ種類が多い。本当に食べきれない。軽く15皿は出て来る。後でチラシを見てみれば「食べきれないコース、2000円。食べきれない・飲みきれないコース、3000円」と在る。・・・2000円!二人で食べて3分の1は残してしまうくらいの料理が2000円なのです。うーむ。あ、因みに3000円の飲みきれないコースはアルコール・ドリンクが飲み放題な上にデザート付きで、水煙草まで吸わせてくれるみたいです。興味のある方は是非どうぞ。3〜4人で行く方が良いかと。夜行けばベリーダンスが観れます。あ、でも、心に余裕の無い人には不向きかも知れません。

 追記:反応を頂きました。アクセスに関してもう少し書いておきましょう。JR・京成線日暮里駅で降り、改札を抜けたら谷中墓地側の出口へ向かって下さい。出たら、墓地へ入らずにそのまま真っ直ぐに谷中銀座へ向かいます。出口の近くに周辺の地図が在るので、それで確認するのが良いでしょう。左右に寺や商店を見遣りつつ真っ直ぐ歩いていると、やたらとPOPを貼った怪しい感じの漢方薬屋(?)が左側に在りますが、それを通り過ぎると同じく左側に非常に場違いな看板・メニュースタンドが在るので直ぐに判ると思います。考えてみれば非常に貴女向きな店ですね。因みに6月6日に、二階へパレスチナ・レストランを開いちゃったらしいですよ。

Blood-type O

 僕(と母)の母子手帳には、何故なのか知りませんが、僕の血液型が記載されていませんでした。なので実は僕、中学の時に献血するまで自分の血液型を知らなかったのです。その当時は自分の性格が母に似てると思っていたので、たぶん " B型 " だろうな、と思っていた訳です。しかしながら血液検査の結果を見れば " O型 " でした。父と同じ血液型です。「えー!何処がー?」とかなり違和感を覚えたのを記憶しています。それから暫くの間、僕は自分の血液型に微妙に納得出来ないまま過ごしておりました。しかし、やがて僕は自分の実際の血液型としぶしぶ折り合いを付ける事にしました。事実は変えられませんからね。 " 限りなくB型寄りのO型 " こんな苦し紛れの奇策で自分を納得させたのでした。いやしかし、今思えば、この折り合いの付け方自体が既に " O型 " 。

 こんな僕ですが、誰かと血液型の話題になると、ほぼ8割の確率で " A型 " だと言われたりします。理由を尋ねてもハッキリとした答えは返って来ません。しかし僕は " A型" に見えるらしいです。更に同じ確率で「姉ちゃん居るでしょ?」とか言われます。残念ながら我が家は男三兄弟で、しかも僕は長男です。出来る事なら姉が欲しかった。24歳くらいの。ついでに書いてしまえば今でも姉が欲しい。24歳くらいの。

真夜中をぶっ飛ばせ

  • 2004-06-06 日曜日
  • Category - Days
  • Tag -
 昨夜は午前零時近くになってから散歩に出かけました。夜の空気が気持ち良かったもので何となく自転車を漕ぎ出してしまいました。実は昨日は夕方から深夜まで仕事をしていたので、そのストレスでしょうか。無性に走りたくなったのです。そんな時間でも人通りは多少あるし車も走っています。店なんかは既に店仕舞いした後なので、いつもの夜の風景とは少し違います。そんな中を僕はてれてれと自転車を漕ぎながら徘徊しておりました。江戸川の堤で出て、対岸の住宅や街灯の灯りを見やりながら自転車を走らせます。遠くから微かに揺れる白い点がだんだん近づいて来て、やがてそれが自転車に乗った人だという事に気付く。妙に緊張してしまう。すれ違い様に光は最大になり人の姿を認めるとすぐにまた闇が覆い被さってきます。独りは独り、なのです。お互いに。

 そんな事を何度か繰り返しやがて飽きて来たので街中へ向かいました。居酒屋・パブ・キャバクラ・スナック・コンビニ。人々の欲望をかき立てるのは、その種類は様々であれ、闇に浮かぶ光であると思います。

 遠目に彼方此方を冷やかすのにも飽きたので部屋へ戻る事にしました。時計は午前2時を示しています。この時間では更に人は減り、車も減ります。たまに通る深夜割り増しのタクシーを除いては、動きのある物体がありません。とか思っていたら女の子が一人で歩いていました。普通に危ないと思うんですけど、どうなんでしょうかね。僕は歩道ではなく車道を走り、目一杯漕いで勢いをつけ、右へ左へと蛇行して遊びました。今、この道路は僕の物です。わはは。それから僕はふと思いつき、ハンドルから手を離してみました。少し不安定でしたがそれでも真っ直ぐに自転車は走って行きます。手放し運転なんて何年ぶりでしょうか。何の意もなく走り去る行為に、僕は半ば陶酔していました。波に乗るのも、確かこんな感じだったように思います。これがずっと続かないかなあ、とか思っていてもやがて自分の部屋に着いてしまうのは疑いありません。僕はハンドルに手を戻し、減速した後、車体を倒し左に曲がりました。

空中庭園

  • 2004-06-04 金曜日
  • Category - Days
  • Tag -
 4階建てのビルの屋上で、欄干に身を預けながら煙草をくゆらす。蒼と白のコントラストが高くて透明度の高い空。強い陽射しが頭の中を溶かしてくれて気持ちが良い。見渡せば、大凡5階建てか6階建てのビルが多く、最上階には判で押したように各々のビルオーナーの住居が鎮座している。加えて一様に広いベランダが設けてあり、住人が思い思いの箱庭を凝縮させている。数十種類の植物を育てていたり、自転車を置いていたり、窓辺には雪見障子がはめ込んであったり、場合に拠ってはお稲荷さんが奉ってあったりする。その様はまるで市井をそのまま上空に持ち上げたようだ。東京都心の上空には路地が巡っている。アスファルトとコンクリートとアルミとステンレスと鉄とガラスでササクレだった空間の上では、水端の湿り気を帯びた営みが今でも繰り返されている。

Banana Fish / 吉田 秋生

 今週になって、久しぶりにこの漫画読んでたりします。通勤電車の行き帰りで少しずつ読んでました。何故かサンボマスター聴いていたら読みたくなった訳なんです。人生泥沼状態の僕ですが、敬愛する貴女との幸せな日々を夢見て、昼も夜もなくひたすらに猛進しています。みたいなところが似ている気がしたもので、読み返してみたくなった訳ですよ。こういうのってちょっと良いなあ、と思いはするのですが、ホントにちょっとしかそう思えず結局いつもの平坦な日常を繰り返すのみなのです。はい。そもそもこんな風に思えたのって一体何時の頃だっただろう、と頭を捻ってみてもさっぱり全然思い出せません。というのは嘘でわりかしハッキリ相手の事を覚えています。でもそれに付随する嫌な事がたくさん蘇ってきたりするので余り思い出したくはないのですね。きっとそれ故に他人様のソレを目にする事に拠って、自分の中の欠落した何かを補完しようとしているのでしょう。と言いますか、書いているうちにいつの間にかレビューが日記へとすり替わってしまうというこの刹那。自分の凡庸さが呪わしい。
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