DOG ON THE BEACH
Nikki / くるり
- 2005-11-27 Sunday
- Category - Art
- Tag - music / literature
待ちに待った新譜。今日繰り返し聴いてみて思った事。岸田君は(僕は基本的にくるりは岸田繁のワンマンバンドだと思っている。本人は否定するだろうけど。)すっかり苛立ちが成りを潜め、皮肉が少なくなったなあ、と思う。岸田繁という名の一人の男の成長が、正確に伝わってくる。それが音楽の本質かどうかという議論は置いておく。僕はそういう人間の成長を見て取れるというのが好きなのだ。リアルタイムで聴いていた訳ではないが、The Beatles や The Rolling Stones を聴いていてもそれを感じ、あたかも冗談のように長い長編小説を読んでいるような感覚がある。椎名林檎も同じ。言ってみれば文学に近い。それに歌詞も随分変わって来た気がする。これまでは、演奏と歌詞は独立しているような印象であったが、このアルバムでは両方が同時に聴かれなければ、伝わって来ないような気がする。新譜が出る度に、その変化にすぐに馴れる事が出来ないが、後々、結局全てのアルバムを好きになってしまう。何時までも聴き続けていたいバンドである。
Middle Tempo Magic / 安藤 裕子
- 2005-11-20 日曜日
- Category - Art
- Tag - music / psychology
馬の骨 / 馬の骨
キリンジの堀込泰行のソロ・プロジェクト。キリンジの音と比べてそんなに大きく違っていないところを見ると、実は弟泰行が殆ど作っていたのだろうか。全体を通して聴いてみれば、やはり先行シングルとして発売されている「燃え殻」と「センチメンタル・ジャーニー」が秀逸である。「センチメンタル・ジャーニー」などは、ナイアガラ・トライアングル辺りの要素を色濃く取り入れているなあ。と思っていたのだが、アマゾンのレビューを読んだりすると、その存在は日本のソフトロック(初耳だったが)の範疇に入るとか。そんなもんかなあ、と読み流しつつ Elvis Presley のカヴァー「 I Want You, I Need You, I Love You 」を聴いている。ギター一本で、ただ好きなだけで歌っているような感じで、良い。
Unrest. / Rei Harakami
歌舞伎町の女王 / 椎名 林檎
この表曲「歌舞伎町の女王」をラジオを聴いて、一発で椎名林檎が好きになってしまったのだが、今回はその曲の話ではない。裏曲の「アン・コンディショナルラヴ」の話である。英題「 Unconditional Love 」からそのままのカヴァー曲で、クレジットは Cyndi Lauper になっているから彼女の曲なんだろうけど、僕は聴いた事がない。先ほども iTMS で探してみたが、同じタイトルの曲を歌っている人はたくさん居るのに、シンディ・ローパーの名前だけ出てこない。なので未だに原曲を聴かないままでいる。タイトルを和訳すると「無条件の愛」だとか何の捻りもない大袈裟な言葉になってしまうが、椎名のこの声を聴いていると、実は自分にもこうまで切実に欲している何かが在るのではないか、という気がしてくる。そしてこの曲のもっと怖いところは、後ろの方で小さく聞こえている効果音が、そこだけ拾って聴いていると本当に鬼気迫る感じで、何か(誰か)を求める切実さが、実は恐怖に裏打ちされているような気さえしてくる。
大好きな曲であるが、こういう感じの曲なので、そうそう頻繁に聴きたくなるものではない。

ハナレグミ Live at 日比谷野外音楽堂
昨夜は少し体調を崩していたが、痛み止めとビールで誤魔化して日比谷の森へ行って来た。待望のハナレグミのライヴである。前々から観たかったハナレグミ。しかも野音でとくれば見逃す訳にはいかない。そんな感じでノコノコと行ってきた。んで、そのレビューでも書こうと思うのだが、どうにも一つの文章に纏める気力がないので、またまた箇条書きにて書いてしまおうと思う。でもよくよく考えてみると、箇条書きの方が文章の流れと関係なく書く、思いついた事を洩らさず書く事が出来るので、リポート向きな気がするなあ。- 開演時には未だ陽射しは明るく、心地良い風が吹いていた。客席から見ると、ステージの両側に青々とした木々がみっしりと繁っているて、青空からは小鳥の鳴き声が聞こえたりする。この季節の野音は良い。もちっと夏に近づけばもっと良いかも。
- ステージの真ん中には、自宅から運び込んだであろうソファ。ラスタカラーのカバーがかけてある。ちょっと欲しいかも。
- 永積の衣装(というかほぼ普段着っぽい)は、ツバ広のストローハットを被り、赤い長袖のTシャツにアロハを羽織り、8分丈の水色のパンツという出で立ち。外股で歩くので、さながら南国のジジィのようである。
- 声のコンディションはCD音源で聴くのと変わらない。でもテンションは高め。素晴らしい。
- 演奏者も座っていて、客も皆座っている。こういうユルい雰囲気のライヴって良いなあ。
- 客層はやはり若い。しかも2/3は女子。中には靴を脱いで弛み切った感じで聴いている女子も。
- 通路に座っている警備スタッフの学生と思しき、眉毛が逆八の次に繋がった背の低い少年。私の目の前のカップルがイチャつく度にじっと凝視するのはヤメロ。面白いから。
- 永積のカバー好きは噂に聞いていましたが、昨夜も何曲もやりました。「そして僕は途方に暮れる / 大沢誉志幸 」「いかれた Baby / Fishmans 」「いちょう並木のセレナーデ / 小沢健二」「男の子と女の子 / くるり」「ダウンタウン / シュガーベイブ」その他に Bob Marley の曲(曲名は失念)と後二曲やったが、それは何か判らなかった。
- このライヴには何人ものゲストが登場。と言っても僕に判るのはクラムボンの 原田郁子と、 Polaris のオオヤユウスケと、元 Tokyo No.1 Soulset で今は Nathalie Wise の Bikke くらい。
- しかしもう一人、この日一番のスペシャルゲストは竹中直人。元々竹中がハナレグミのファンであるし、映画「サヨナラColor」の繋がりで本日の運びとなった模様。そう言えばライヴの冒頭で永積が竹中の物真似してたな・・・。竹中はピンク地に赤い変な模様の細身のスーツで登場。絶対何かやってくれるだろうと思っていたら、躓いて顔面から転んだまま起きあがらない。この日一番の爆笑。さすがだ。
- 野音に来る度に思うが、この会場では立ち見席が一番居心地が良いように思う。会場全体を見渡せて楽しい。僕は途中でトイレに行ったり煙草吸ったりして、その光景を楽しんだ。
岸田繁の声
昔の話。くるりがアルバム「図鑑」をリリースし、その後シングル「春風」がやたらとヒットしている時に、渋谷公会堂でライヴがあった。僕は友人と共に会場へ足を運んだ。客層はさすがに若かったが、中には私達のような中年域の人々もちらほら。開演時間まで時間があったので、売店で「東急世田谷線Tシャツ」を買ったり、そこで騒いでいた「なりきり岸田君」を見物したりして過ごす。
ライヴは僕の大好きな「マーチ」で始まる。ドラムがノリ切れてない。その後も(良い意味で)ダレたMCを挟みながら、演奏は淡々と進んでいく。その当時に岸田がハマっていたという、ヘヴィメタルばりのライトハンド奏法など小ネタも盛り込まれる。全体的に音は轟音で、ノイズ系の音も混じったりするのだが、何曲かは音数も少なく静かな演奏もあった。
そんな中で僕が一番ショックを受けたのは、岸田の声の存在感だ。「ピアノガール」を電子ピアノを弾き語りながら歌う声は、一度耳から入ってしまうと、そのまま居座り続ける。違う例えで書くなら、耳以外でも聴いているような感覚になるのである。周波数の問題かなあとか考えてみるが、それ以上に思考は拡がらない。とにかく、そんな声してズルイなあと思ったまでである。似たようなスタイルで演るバンドは幾つも在るが、岸田の言葉の選び方と声の質が、フォロワーの追随を許してはいないなあ、と僕は思っている。僕にとっては唯一無二のバンドだ。
ライヴは僕の大好きな「マーチ」で始まる。ドラムがノリ切れてない。その後も(良い意味で)ダレたMCを挟みながら、演奏は淡々と進んでいく。その当時に岸田がハマっていたという、ヘヴィメタルばりのライトハンド奏法など小ネタも盛り込まれる。全体的に音は轟音で、ノイズ系の音も混じったりするのだが、何曲かは音数も少なく静かな演奏もあった。
そんな中で僕が一番ショックを受けたのは、岸田の声の存在感だ。「ピアノガール」を電子ピアノを弾き語りながら歌う声は、一度耳から入ってしまうと、そのまま居座り続ける。違う例えで書くなら、耳以外でも聴いているような感覚になるのである。周波数の問題かなあとか考えてみるが、それ以上に思考は拡がらない。とにかく、そんな声してズルイなあと思ったまでである。似たようなスタイルで演るバンドは幾つも在るが、岸田の言葉の選び方と声の質が、フォロワーの追随を許してはいないなあ、と僕は思っている。僕にとっては唯一無二のバンドだ。













