DOG ON THE BEACH
しとやかな獣 / オリガト・プラスティコ
一昨日、新宿は紀伊国屋ホールにて " しとやかな獣 " を観てきた。未だ観てはいないが新藤兼人脚本・川島雄三監督の原作映画には興味があったし、ケラリーノ・サンドロヴィッチの黒光りのするユーモアは好きだし、テレビドラマや映画でちょくちょく見かける近藤公園という役者も気になっていた。しかし実際のところ、書くまでもない事だが、僕は緒川たまきをどうしても観たかったのである。実際に観る緒川たまきはやはり緒川たまきであるのだが、映像や紙面で観るよりもずっとほっそりとしていて、それ故に儚げな雰囲気も持ち合わせており、いやはや可憐である。可憐なんて言葉は生まれて初めて使ったな。しかし他に上手い言葉が思い浮かばないので取り敢えずそう書いておく。
僕は上手側の前方の席に座っていたのだけれど、劇中何度となく僕の目の前で芝居が行われるので僕は気が気ではなかった。僕の眼球から計って4メートル弱の舞台上に緒川たまきが立っており、これは観る為の催しであるのだから凝視し放題である。はずなのだが直視するには余りにも目映く、僕は手をかざしたい気持ちを必至に堪えつつ瞬きをくり返しながら見つめていた。そんな事をしていては芝居を追う事なんて出来はしまいと思うだろうが、緒川たまきばかりを観ていると目眩がして仕方がないので、他の役者に注意を向けて気を紛らせていたので物語の進行を見逃す事はなかった。しかしその間も緒川たまきの白く細長い指が僕の脳裏から離れてくれない。そして、劇中で緒川たまきがソファに押し倒される場面が在るのだけれど、仰向けになった緒川たまきの額から鼻梁、顎先に至るまでの造形は信じ難いほどに美しかった。
この芝居はDVD化されたりするのだろうか。しかしそうなったとしても後方から引きで撮った映像なのだろうな。それだと見えないものが色々と在る。出来得れば、僕の眼球に写った映像をそのまま記録したい。観ている間中僕は「どうしたら良いのか判らない」状態で、メディアを通さずに見せつけられる肉体の放つ光に平伏していたのである。以前にも何かの折に書いた気がするがもう一度書く。美しさとは観る物を圧倒する強大な力である。
- Last Modified : 2009-02-09
マイ・フェイバリット・ミュージック・テープ
十庵氏やLSTY氏がコンピレーション選曲とか始めたのを読んでいろいろと思い出した。御多分に漏れず僕も昔はこの手のテープをよく作っていたし、友人から貰う事もあった。最初は似通った嗜好の友人とのやりとりが主であったのが、次第に色気づいてくると、童貞のまま何も知らないままに、ただただ自分を受け容れて欲しいが為に女の子にテープを贈ったりするようになる。僕の場合、テープのみならず絵を描いてそれを渡していた。しかしその結果から言えば、どれもこれも功を奏していたようには思えない。そりゃあそうだ。自分の嗜好を、若しくは自分自身を押しつけていただけなんだもの。
さて、そんな風に懲りもせずにテープを作っては渡し、何の反応も貰えずに過ごしている時期も終わる。僕が最後に作ったテープのタイトルは「四月」だった。ただしこのテープは誰か気に入った女の子に贈る為に作ったテープではなかった気がする。数年前に、持っていたミュージック・テープを全て処分した時には残っていなかったので、結局は誰かにあげてしまったのだろう。それでも、そのテープは何度も繰り返して聴いた覚えがあるので、恐らく動機としては自分の為に作ったテープである。
そのテープの中に一体何の曲を収録させていたのか、よく覚えていない。Mr.Tambling man / Bob Dylan、There's nothing like this / Omar、Friends of mine / Incognito、Creepin' / Tamiko Jones を入れていた事くらいは覚えている。それと後は、Free Soul シリーズのどのアルバムにか収められていたジャズ・スタンダードの曲をジャマイカン・ジャズ(曲調はスカ。レゲエの前身と言われていたような・・・)で演っていた曲。春に聴く音楽として、華やかで、それでいて憂いの籠もる音を集めていたと思う。
僕が拘ったのは、選曲及び曲順は当然過ぎるので話題にしないとして、一曲終わって次ぎの曲が始まるまでのタイミングである。前曲のリズムを引き摺りつつも、次曲のイントロの印象を考慮にいれてカウントする。勿論自前のリズムで。完全手動で。そのタイミングが自分の気に入るまで何度も録音をやり直す。こういうのは MP3 ファイルをリストアップするだけでは再現出来ない。真夜中までかかってようやく出来上がったミュージック・テープを、翌日から僕は繰り返し聴いていた。自分にとっての春に聴く音楽はこれ以上の組み合わせはない、くらいの心持ちで。
それにしても、そんな大事なテープを一体誰にあげてしまったのだろうか。その当時にはそんなに好きな女は居なかったはずなのに。
さて、そんな風に懲りもせずにテープを作っては渡し、何の反応も貰えずに過ごしている時期も終わる。僕が最後に作ったテープのタイトルは「四月」だった。ただしこのテープは誰か気に入った女の子に贈る為に作ったテープではなかった気がする。数年前に、持っていたミュージック・テープを全て処分した時には残っていなかったので、結局は誰かにあげてしまったのだろう。それでも、そのテープは何度も繰り返して聴いた覚えがあるので、恐らく動機としては自分の為に作ったテープである。
そのテープの中に一体何の曲を収録させていたのか、よく覚えていない。Mr.Tambling man / Bob Dylan、There's nothing like this / Omar、Friends of mine / Incognito、Creepin' / Tamiko Jones を入れていた事くらいは覚えている。それと後は、Free Soul シリーズのどのアルバムにか収められていたジャズ・スタンダードの曲をジャマイカン・ジャズ(曲調はスカ。レゲエの前身と言われていたような・・・)で演っていた曲。春に聴く音楽として、華やかで、それでいて憂いの籠もる音を集めていたと思う。
僕が拘ったのは、選曲及び曲順は当然過ぎるので話題にしないとして、一曲終わって次ぎの曲が始まるまでのタイミングである。前曲のリズムを引き摺りつつも、次曲のイントロの印象を考慮にいれてカウントする。勿論自前のリズムで。完全手動で。そのタイミングが自分の気に入るまで何度も録音をやり直す。こういうのは MP3 ファイルをリストアップするだけでは再現出来ない。真夜中までかかってようやく出来上がったミュージック・テープを、翌日から僕は繰り返し聴いていた。自分にとっての春に聴く音楽はこれ以上の組み合わせはない、くらいの心持ちで。
それにしても、そんな大事なテープを一体誰にあげてしまったのだろうか。その当時にはそんなに好きな女は居なかったはずなのに。
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