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DOG ON THE BEACH

経年鈍化

 今年の秋は、印象としては僅かに二週間くらいしかなかった気がする。四季が失われつつあるのかなあ、とも思うけど、断腸亭日乗を紐解けば、永井荷風が同じように気候の変動を訝しむ記述があったりするので、もしかすると人間の環境に対する感じ方には傾向があって、それ故に四季が乱れていると思い込むのかも知れない。でもまあ、その理屈の動き方が思い付かないのでよく判らない。

 それとは別に、年齢を経ていけば、段々と一年という時間を短く感じるようになっているのは何故なのだろうな。子供の頃と違い、歳を取ると環境の変化やそれ自体に対する慣れ、またはそれらに倦む事に因って時間経過の感覚までも鈍化していくからだと聞いた気がするけど、そういうものなんだろうか。物理的な時間は変化しないだろうから、いずれにせよ人間の受容感覚が変化したのだろう。
 そう言えば先に挙げた断腸亭日乗、荷風最晩年の死の直前辺りでは殆どが天気の記述だけになる。日記を連ねる体力気力が無くなったのか、それとも何も感じなくなってしまったのか。さすがに老齢までには相当間のある僕には想像がつかない。

 しかし考えてみれば、もしかするとそういった加齢に比例した肉体や感覚の鈍化というのは、死を迎える為の準備なのかも知れない。例えば、三十路を越えた辺りから色々な事に対して思い悩む事が少なくなって、幸いにも生き易くなるような感じで。あれだって、もう思い悩む体力がなくなって疲弊しているからそうなるのだろうしね。若い時に比べれば、肉体や感覚が鈍化していた方が死を受け入れ易いだろう。そうすると、老化とは死を目指した成長だと考えれば、何というか、非常に都合の良い生命のプログラムであるような気がしてくる。
  • Last Modified : 2011-11-09

十月燃ゆ

神無き空の 淋しさよ

年の暮れに寄す

猫伏して 冬の日溜まり 屋根の上

なーんもやる気しねえ。寝てよ。
  • Last Modified : 2008-12-30

青空のミジンコ

 子供の頃、例えば河で遊び疲れて土手に寝転んだ時や、両親の仕事を手伝った後に其処彼処に積んであった藁の山に身を投げ出してぼんやりと空を眺めていると、青空を背景にして目の前をミジンコのようなものが横に流れていくのが見えた。微生物を撮った顕微鏡写真を見た時のような、透明な器官を持ちその形状が僅かな影に拠って知覚される生き物。そういうものがいつも決まって左から右に、飛んでいるというより不規則に流れていくようにして見えるのだった。その形も軌跡も違うが繰り返し見える。何となく目の動きに合わせて流れているようにも見える。
 これは一体何なのだろうと考えてはいたが、何となくその話はこれまで誰にも話していない。特に何の害ももたらさないので「不思議な事があるもんだなあ」で済んでいたからだと思うけれど。後年、それは眼球の表面に付着した埃が、涙に流されていく様が見えているのだろうと想像したりしていた。

 ★

 そして今日、人間の眼球について調べていたらそれは実は飛蚊症という疾患であるらしい。
 視界に糸くずや黒い影、蚊のようなものが見え、視点を変えるにつれ、それが動き回る。明るい場所で白いものや空を見た場合によく見える。多くの場合加齢により自然発生する。飛蚊症自体は目の機能に問題はないが、網膜剥離の初期症状や糖尿病網膜症の症状としてあらわれる事もあるので、眼科の受診が必要。
Wikipedia
 一気につまらなくなった。どうせ人体には影響がないのであるなら、この世の不思議としてずっとニヤニヤしていたかった。まあ、網膜剥離や糖尿病網膜症は怖いが。

 僕がそれらを見ていたのは小学生、もしかしたら中学生くらいまで。記憶は曖昧だけれど大人になってからは一度も見ていないと思う。僕には蚊ではなく何故かミジンコに見えたが、ぼんやりと青空を眺める先にミジンコが浮遊しているのは結構楽しいと思うんだけどなあ。また見えるようにならないかなあ。

箸を手に

垣根とびこえ 猫笑い

秋落ちて

蜻蛉の羽根に 黄金色

冬枯れて

雨音近し 春の道
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