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DOG ON THE BEACH

'Round About Midnight / Miles Davis

 このアルバムが僕が初めて手に入れた Miles Davis のアルバムである。実はつい最近になって Jazz を色々と聴くようになった。昔、それは10年くらい前だろうか、試しに Bud Powell あたりのピアノ曲を買って聴いてはみたが、全然自分の中に入って来なかった。ピアノを選んだのは、クラシックだとピアノ曲を聴く事が多かったので入り安いかと思ったのだ。しかし音楽として全く別物であったし、自分が聴く音楽ではないのだろうと、直ぐに離れてしまった。

 それから数年の後。何かのきっかけで Cuban Music を聴くようになり、それまで気にして聴いた事のなかったブラスの音に魅力を感じるようになった。それからまた数年が経ち、また試してみようかと思っているところへ、FM で 'Round midnight という曲を耳にした。それまで感じた事のないカタルシスを自分の中に見つけ、僕は次の週末には CD 屋でこのアルバムを探し当て、その日からは暫くは毎晩聴いていたように思う。今思えば、僕の Jazz への入口はこの曲であった。かと言ってそれから Jazz にハマったかというとそういう事はなく、それから暫くはこのアルバムと Kind of blue ばかり聴いていた。Miles Davis の他のアルバムを聴いたり、他のミュージシャンのアルバムを聴いたりするようになったのは、ほんのつい最近の事である。

 'Round midnight を真夜中に聴くのが好きだ。闇に溶け込るようなトランペットの音色を聴いていると、夜と一つになるような気分になれる。

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男達の別れ / Fishmans

 5年ほど前、それまでバンド名は聞いた事があったにしても、さして興味を持っていなかった Fishmans をハッキリと認識したのは、公式HP上の佐藤伸治の死亡告知だった。会社の後輩が魚男達が好きで、昼休みにたまたま開いたHPのトップページにその後輩は思わず声を上げ、それに驚いた僕がモニタを覗き込んだのがきっかけだった。それから更に2年後。同じく魚男達好きの友人の薦めで、ポリドール時代のベスト盤の " Aloha Polidor " 聴いてみた。それまで耳にした事のない種類の音に最初は戸惑ったが、すぐに毎晩聴くようにまでなった。誰かが書いていた。「地面にぽっかりと開いた穴を気紛れに除いてみたら、そこには宇宙が在った。」

 このアルバムは1998年の12月28日に赤坂 BLITZ で行われた、Fishmans 最後のライヴ音源である。佐藤伸治が亡くなったのは翌年の3月。勿論僕は行っていないが、前述の友人に依れば、絶叫と共に幕を開けたこのライヴは、爆音に空間が捩れ、異様なテンションの高さのまま進行して行ったそうだ。観客達はただ呆然と身を揺らしているのみで、さながら陽炎のようだったとも。途中で休憩を入れ、再度登場した魚男達はそれから50分間 " Long Season " 一曲を演奏し続けた。一切のアンコールも無しに終了したライヴの後、友人はグッタリと疲れ果て家路に着いたそうだ。その圧倒的な音の洪水を全身に浴びた彼等が一体其処で何を体験したのか、僕には知る術がない。

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Staring at the Sea / The Cure

 高校の頃、知人が僕に向かってこう言ったのです。「キュアー聴きなよ。絶対似合うって!」人に音楽を薦めるのに似合うとか似合わないとかの言葉が出てくるのが良く解りません。そして何故か予め用意されていた(このアルバムがダビングされた)カセットテープを渡され、僕は家でそれを聴いたのでした。以前にも書いたかも知れませんが、僕はその中の " Boys don't cry " が凄く気に入った為、それから他のアルバムレコードを次々に借りてダビングし、ひたすらに聴きまくっていたのでした。間もなく、根本が空疎な人間がよくやるように、僕は The Cure の中心人物 Robert Smith の格好を真似るようになりました。

 さて、ここで一つ疑問が。僕が彼を真似て細いブラック・ジーンズを穿いたり、白いリーボックのハイカット・スニーカーを履いたり、白いTシャツの上に黒のジャケットを羽織ったり、ダイエースプレー使って長い髪の毛を逆立てたり、瞼にシャドーを入れたり、口紅を引いたりしたのは、果たして自分から積極的にやっていたのだろうか。このアルバムを改めて聴き直している内に様々な記憶が蘇ってきました。

 そもそもこのアルバムが人から借りて聴いたのが最初だという事もさっき思い出した事で、それまですっかり忘れていました。蘇った幾つかの記憶の映像の中にこういうのが在ります。前述の知人が「・・・持って来たよ。」と言いながら学生鞄を開け、中から口紅とアイシャドーを取りだし、僕の唇に赤い色を引き始めました。背景は・・・教室です。二人とも制服を着ています。何でしょうかコレは。妙に倒錯的でエロい光景です。これは僕の記憶なんかではなく妄想なのでしょうか。しかしよくよく考えてみるとこの線が一番妥当なのです。田舎の公立高校に通う男子高校生が口紅なんか普通持っていません。我が家は男兄弟です。母は5年に1回くらいしか口紅を付けません。父が持っていたのなら、それは怖いです。なので間違いないでしょう。

 ここまでの流れで大凡判ると思いますが、その知人は女性です。同級生でした。友達ではなく知人と書いたのは、実は一瞬付き合いそうになりはしたが、結局はそうならなかった微妙な位置に立つ人だったもので。彼女を思い出す事も殆どなく、顔を朧気に覚えている程度でしたが、先ほどついにフルネームまで思い出してしまいました。彼女と福岡駅のホームを歩いていた事も思い出しましたが、その前後が思い出せません。一体何をしていたのでしょうか。思い出せなくてちと悔しい。あ、でも Ecoh & The Bunnymen のライヴには一緒に行った気がする。高校を卒業した後に、彼女とは街で偶然に出会った事がありますが、その時の話は少し悲しくなるのでやめておこう。B000051SVZ

Ascenseur Pour L'Echafaud / Miles Davis

 階下の店では、今夜は確かジャズ(風)・バンドが演奏しているハズなわけ。でもそれにしては " 涙そうそう "とか演っちゃってるし、挙げ句の果てには " 色彩のブルース "とか演っちゃったりしてるわけ。でも個人的には中納良恵嬢以外の声では聴きたくないので、とっとこ出かける事にしたわけ。サンダル履きで自転車すいすい漕いで。無駄にキャップ被って。もう、なんていうかスパルタな父親の元から逃げ出したベートーベンな気分なわけ。だからと言って2時間も3時間も自転車に乗ってられるハズもないわけ。今日は身体の調子もあまり良くないし。んで、適当な居酒屋に入って呑んだりするわけ。独りで。焼酎を。考えてみれば一昨日から三連チャン。一昨日も昨日も上司と呑んでた。そんな事やってりゃ体調が良いハズないってミミズでも解る論理なわけ。ふう。で。今コレ聴いてます。" 死刑台のエレベーター " のサントラ。映画は観た事ない。コレ聴いてると頭の中がシーンとしちゃって気持ち良い。夜が薄れ、カラスがようやく目を覚ます午前4時。そんな感じの日曜日。
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負け犬のバラッド

 相手の女性の事も、その女性の相手の事も今でもハッキリと覚えてはいるのですが、それ書くと悲壮感漂うテキストになってしまうので書きません。適当に誤魔化しつつ書く事にします。その時の僕はよほど切羽詰まった顔をしていたのでしょう。相手の女性は幾分怯えていたようです。それでも信じられないくらいに冷静な声と言葉で拒否された夜、僕は例の行動に出た訳であります。

 その時何故 Doors を選んだのかは自分でもよく解りません。その当時(凡そ10年前)は、それまで英米のロック・ミュージックかブラジリアンかキューバンの音楽、若しくはクラシックしか聴かなかった僕が、仕事場の同僚の影響で邦楽を聴き始めた頃だったと思います。Doors を選んだのは一番馴染みがあったからでしょうかね。とにかく周囲を憚る事なくシャウトする必要が在ったので Doors はうってつけだったのです。
 あれ。・・・考えてみれば僕は今でも The Doors のアルバムはアナログでしか持っていません。という事は・・・・半泣きのままで、ジャケットからビニール盤を指が盤面に触れないように取り出し、丁寧にブラシで盤面を拭い、ターンテーブルの上にそうっと置いてから、これまた細心の注意を払いながら針を落としていたのでしょうか。しかも 1st のA面が終わればB面へ、それが終われば 2nd のA面へと・・・そんな事をやっていたのでしょうか。おかしい。おかしいけど、どう考えてもそうしないと聴けないハズです。その姿を想像すると笑えます。何をやっているのでしょうか。

 勿論その時の僕は素面ではありません。帰りに酒屋に寄っています。ビールやワインではお話にならないし、第一酒を味わいたい訳ではないのです。しかも Doors 聴くつもりなんですからウィスキーしかあり得ません。しかも米国製の。しかしジャック・ダニエルズやワイルド・ターキーは高いし、フォア・ローゼスは売り切れてました。残るは・・・残っていたのはジム・ビーム。洒落ではありませんよ。選択肢が少なかったのです。仕方ないじゃないですか。

 そんな感じでジム・ビームをラッパ飲みしながら、Doors でシャウトしていた訳です。こんなにも悲しい酒を呑んでいるのですから、今夜は朝になるまで呑んでドロドロの体で死んだように眠るのだろうと思っていましたが、予想に反して午前1時になる前には急激な眠気に襲われ、慌ててビニール盤を元在った場所にキチンを仕舞い、ターンテーブルの電源を落としてから眠ったようです。実に健康的です。普段と何ら変わりはありません。それまで僕は、自分は結構感情を引きずるタイプだと思いこんでいたのですが、翌朝の私はスッキリと目が覚め、何事も無かったような顔で仕事に出かけました。ま、言ってみれば儀式みたいなもんですかね。この事にはこれ以上時間もエネルギーも費やしたりしませんよ、という。拍子抜けするほどに醒めてますね。

In Concert / The Doors

 The Doors の音って、基本的に自分が在る程度イッちゃってないと怖いと感じるんですが、このライヴアルバムなんて更に怖いです。4人のメンバーも観客も有り得ないくらいにテンションが高いです。どう考えてもこいつら、素面じゃありません。どうにかコンサートスタッフだけは冷静さを保っている訳です。「 アーユー フィール オーライ?」「イ”エ”ー!」たったそれだけの MC の後、淡々とライヴは始まりますが、演奏が半端ないです。ギターリフが脳味噌を掻き回してくれます。Jim の絶叫が夜を切り裂きます。何処かで読んだ記事には、The Doors のライヴはさながら宗教的体験だと。観てみたい気もしますが、観たくない気もします。因みにこのアルバムは一つのライヴを収録したものではなく、ブックレットを読む限りでは 1968〜1970年 に Los Angeles, New York, Boston, Philadelphia, Detroit, Copenhagen で収録した音源の寄せ集めみたいですね。

 そう言えば昔、女に振られた夜に、というか真夜中に The Doors の曲を爆音でかけながら、酔いつぶれるまで大声で歌っていた事がありましたっけ。もう引っ越して居ないけど、当時のお隣さんご免なさい。そして今日、陽が傾きかけた頃、久しぶりに聴いていたのですが、怖いと感じるどころかノリノリでした。

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Love, day after tomorrow / 倉木 麻衣

 少し前に CD を整理していた時に(背表紙が無い為に普段は気付かないが)CD シングルをやけに持っている事に気付いたのです。椎名林檎とか宇多田ヒカルとか Cocco とか。発売日を調べるとほぼ同じ時期なので、何か僕の中で流行っていたのでしょうか。自分でもよく原因が掴めませんが、まあ、そういう時期だったのでしょう。しかしその中でタイトルの CD が混じっていました。・・・思い出しました。確か 1st シングルだったと思うのですが、FM から流れてきたのを聴いて「おお!」とか思って買ったのを覚えています。でもその一枚しか持っていないところをみると、あっという間に興味を失ったようです。

 実は去年の秋に沖縄へ出張した際に、58号線を車で那覇市へ向かって走っている時に FM 沖縄でこの曲が流れたのです。夕方頃営業先からホテルへ戻る途中の事。右手に水平線、灰色の雲にオレンジ色の光が混じり、まるで空が燃え落ちて来るような光景を車窓から眺めながらこの曲を聴いていました。「切なくて良いメロディだなあ」と(同行している社長と後輩の存在など忘れて)思い、東京に戻ったら是非 CD を手に入れようとメモっていたのですが・・・それっきり忘れていました。はは。まさか既に持っているとは・・・。

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