少し習慣が変わって、去年の11月から「土曜ワイドラジオTOKYO ナイツのちゃきちゃき大放送 」というラジオ番組を聴き始めた。お笑いコンビの「ナイツ」がパーソナリティーを務める、笑いが中心の番組だ。冒頭から軽い漫才で入り、続いてフリートーク、そして東京各地からの中継や、コメンテーターやゲストを迎えての四方山話、その他リスナーからの投稿や電話でのやり取りなどのコーナーで構成されている。番組の雰囲気はどことなく寄席っぽく、中継コーナー(TBSラジオの番組には中継コーナーが多い)は毎年元旦の午前中にフジテレビで放送される爆笑ヒットパレードの中継コーナーに近いと思う。とにかく楽しげであり、実際に聴いていて楽しいのだ。そして、その楽しげな雰囲気をさらに盛り立てているのが番組のテーマ曲やジングルである。ピアノと打楽器(楽器の種類はいろいろ)だけのシンプルな楽曲だが、和風かつ流麗なアレンジが施されていて、良いBGMとなっている。取り分け良いのが番組の冒頭に流れるテーマ曲だ。ピアノと(たぶん)ちんどん太鼓だけの曲で、ピアノも打ち付けるような弾き方で、音が軽やかに飛び跳ねる。聴いているこちらの気持ちも軽くなるようで、とても良い。この放送が始まる時間にウォーキングしている事が度々あって、左右が田畑の農道やら、河川の土手やらを歩いている時にこのテーマ曲が流れてくるとかなり良い気分になる。ましてやそれが晴れた日であれば、音が青空の中に伸び上がっていくような気さえして、文字通りに晴れ晴れとした気分になる。例えば学校で嫌な事があったり、仕事量が多くて疲れ果てていたり、職場で理不尽な目に遭ったりした一週間であっても、土曜日の午前中にこの曲を聴けば、ほんの少しでも救われたような気になるのじゃないだろうか。話を大袈裟にしてしまっているかも知れないが、そのような働きがあるような気がしてならない。制作側にそのような意図があったかどうかは分からないけど。

 さて、これは誰が演奏しているのかとネットで検索してみてもなかなかヒットせず、唯一見つけられたのは当人のサイトのページだった。同じ誕生日の女性二人によるユニットであるようだ。番組開始以降に出したアルバムの楽曲をアマゾンのページで試聴出来るので試してみると、これには収録はされていない。どうやら CD 化されてはいないようだ。しかしよくよく考えてみると、挿入曲として使われていて、番組の内容と相まっているから良いのであって、曲単体で聴くとそうでもないのかも知れない。テーマ曲で「快」の部分を呼び覚まし、番組の内容で気持ちを解していくような流れがたぶん良いのだろう。