DOG ON THE BEACH

A season passes. A castle can be seen. Where is a soul without a wound ?

Month: June 2006 (page 1 of 2)

光を枕に

 キャンデラな夜を過ごし続けている。

 毎晩帰りが遅いので、シャワーを浴びて何か少し食べシャツにアイロンをかけたら、後は酒を呑みながら寝るまでの短い時間をぼんやりと過ごすだけである。一日中蛍光灯の下で過ごしているので、自分の部屋に居る時くらい、その強すぎる光からは逃れたい。今、僕の部屋の中で一番強い光を放つのはこのパワーブックの液晶画面である。とはいえ、僕の部屋は二階に在り、視線を少し上げると表通りの街灯の灯りが目に入る。というより、この部屋の中に差し込んでくる。つまり、遮光カーテンでも持ってこない限りはこの部屋は暗闇にはならないのである。しかしながら、僕は光を通さないカーテンは好きではないので、この部屋は光に晒されない時は皆無だ。
 そんな薄暗い中でも、僕は本を読もうとしてしまう。キャンデラの灯りをよほど近づけないと文字を読めないのだが、僕はベッドに寝転がり、顎と胸でキャンデラを挟み、その向こう側に本を立てて読んでいる。これだと光量は十分だ。勿論読みにくい。しかし眠る前にちょっと読みたいだけなので、さほど不都合はない。読むのが面倒になれば、本を投げ出してそのまま寝てしまう。

 そうそう、この照明器具は底面(電源スイッチ及び充電時の接続部)が少し暖かいだけで、他には熱を持つ事がない。なので、そのまま抱いて眠ってしまっても安全なのである。「光を抱きつつ眠る」という言葉にすれば少々恥ずかしいが、他では出来ない珍しい使い方を提供してくれる。たぶん誰もやらないとは思うけれども。

時間について

 何事かを諦めると、緊張が解け、焦りも軽減してしまうせいか、本来なら有限であるはずの時間が感じられなくなり、緩やかな流れのみを意識するようになってしまう、ような気がする。それが良いのか悪いのか判らないが、とにかく楽にはなる。

梅雨空に溶け、流れゆく生活

 長雨の時期というのは、色々な事が思い出される。ここの所、朝起きて会社へ赴き、12時間働いて夜中にクタクタになって帰宅するという日が続いているので、生活と思しきものが見当たらない。それが相まって感情が過去に逃げているのかも知れない。ついこの間止めたばかりなのに、再びトレースを始めそうな雰囲気だ。

 真夜中。呑み足りないのでコンビニへ酒を買いに行く。途中、僕が住んでいるマンションに棲みついている猫と擦れ違う。散歩中のようだ。街灯の灯りが少し眩し過ぎる。目が眩む。コンビニの照明はそれ以上に暴力的だ。目当ての酒を手に取りさっさと出る事にする。愛想もヘッタクレもないバイトの店員に金を渡し、再び闇の中へ身体を滑り込ませる。道々擦れ違う、夜を歩く者達は何れも寡黙だ。目の動きだけがやたらと感じられる。

 マンションに戻ってくると、先ほどの猫が階段の下でじっとして一点を見つめていた。何を見ているのかと猫に近付いて見ると、視線の先に一匹のヤモリが居た。白っぽい肌で尻尾が切れてしまっている。何事かが始まりそうなので腰を下ろして見物する事にした。
 ヤモリが動く。猫がビクッと反応し、一歩近付いて凝視する。そろそろと猫が手を出す。ヤモリが逃げる。それを何度か繰り返していく内に壁際に達する。平面的な逃げ場を失ったヤモリは、壁伝いに上に逃げようとする。すると猫はヤモリを壁からはたき落とす。そうして最初からまた繰り返す。しかも猫が通行人に対して過敏に反応して動きを止めるので、なかなか前に進まない。僕に対してはもう慣れてしまっているせいか、そんなに警戒はしないのだが。
 当分は決着が着きそうにないので、眺めているのに飽きた僕は部屋へ戻る事にした。

Candela / Vessel

 去年買って暫く使っていたのだが、充電に時間がかかるのと、何かしら作業的な事をする際には暗くて不便なので、久しく使っていなかったキャンデラをまた使い始めた。前述のように不便な時(夜にアイロンかける時とか本を読む時とか)もあるが、やはりこの灯りは落ち着く。この灯りというか、この光量が。
 蛍光灯の光なんて大嫌いである。僕の部屋は一番明るい光源でも裸電球だ。100Wは無駄に明るい。60Wも少し気になる。40Wで十分な気がする。でも40Wの電球はなかなか売っていない。それ以外はクリップ式のハロゲン球だ。しかしこれは熱を持ち過ぎてちと危ない。一度床を焦がした事あるし。蝋燭の灯りも好きなのだが、やはりこれも(特に酒を呑んでいる時には)危ない。そう考えると、この照明器具は絶妙なのである。

体温

 世の中には、自分に優しくする事を強要する人も居れば、呼吸をするが如く受け容れる人も居るし、戸惑いながらもどうにか受け取ろうとする人、そしてそれを許さない人も居たりする。僕はそれらが変化するのを見届けた事は未だない。

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