大膽走一步@未知物種音樂祭

 少し前に青木由香がラジオで紹介していた台湾のインディーズバンド。タイトル(バンド名)からも窺えるように、台湾語で歌っているそうだ。紡ぎ出す音が好みなので Youtube で色々聴いてみたのだが、時折ハッとするような流麗なアンサンブルを奏でたりして、アレンジのセンスに感心させられる。ただ、ヴォーカルがもの凄く下手なのだ。聴いているこちらが心配になるくらいに音を外す。音程を保てないより以前に声量も全然足りていない。

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點菸 @我的草本羅曼史3

 色々観ていると、既に2006年からこのバンド形態で活動しているようなので、彼は少なくとも6年間は下手な歌を歌い続けている事になる。青木由香も同じような評価であったし、恐らく周囲の誰もがそう思っているだろう。そして僕が思うに、彼はどうしても歌いたい訳ではなさそうに見える。ギターを弾いている時の方が気持ちよさそうだし伸び伸びしている。
 歌が下手なバンドと言えば Number Girl で、そのヴォーカルを勤めるのは向井秀徳だが、彼の場合は「絶叫眼鏡」の異名から解るように、叫びたいだけである。歌詞の世界観もあるのだろうけど、彼の絶叫はバンドの音の一部として成立している。それと同じようなものかも知れない。僕には未だ認識出来ていない何かをもって、このバンドが成立しているのだろう。もっと歌の上手い誰かをヴォーカルに据えて、このバンドが演奏するところを思い浮かべてみるが、なかなか巧く想像出来ない。つまり、そういう事なのかも知れない。

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直直去@Roxy Roots

 僕は台湾語を読めないし、検索して調べてみてもメンバーの名前や略歴すら解らないのだけれど、ずっと聴いていると、ところどころに Fishmans の影響が窺える。偶然というにはアレンジの端々に聞き覚えが在る。Fishmans の廉価版みたいなフォロワーのバンドは日本にも存在するけど、こちらの方が、離れている分丁度良い取り入れ方をしていると感じられる。同じ土壌でのフォローは気味が悪い。亡霊に縋っているような感じがして嫌なのだ。

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fullset@落日飛車發片演出

 彼らの歌っている内容が、少しでも解ればなぁ。