DOG ON THE BEACH

A season passes. A castle can be seen. Where is a soul without a wound ?

Month: August 2008 (page 2 of 2)

母と息子のバラッド

 確か7月の半ば頃の話。梅雨が開けるか開けないかの瀬戸際の快晴の日に、僕は打ち合わせに挑むべく地下鉄の駅へと向かっていた。薄暗い地下へと降りる入口の前で、何やら高校生くらいの男の子がもたついている。彼は長身だというだけではなく、太っているという訳でもなく、縦にも横にも大きな巨漢であった。真っ黒な学生ズボンに白い半袖の開襟シャツ、坊主頭の下の表情は大変幼くどちらかと言えば愛らしい。そんな彼が一体そんな場所(通行の邪魔)で何をまごついているのか判らないが、突然横を向いてこう言ったのである。「お母さん、これ持ってて」それを聞いて初めて男の子の隣に佇んでいる女性の存在に気がついた。年の頃は40過ぎ、身長は150cmあるだろうか。僕の母もそうだが、とても小さなお母さんである。「もう・・・」と嘆きながら息子から鞄を受け取る。どうやら息子は定期券を探しているらしい。
 巨漢の息子にちっちゃな母親。不思議だ。父親が巨漢なのだろうか。でもそんな事より、この二人を見ていると何故だか頬を緩むのだ。どれだけ身体が大きかろうが息子は息子で、どれだけ身体が小さかろうが母は母である。その事実は僕をとても楽しい気分にさせる。

山手線沿線を歩く(五反田〜大崎)

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 左上: 高架上の五反田駅。ホームに停車している電車を見るのは結構好きなのだけれど、それにしてもなんとゴチャついた光景だろうか。東京というのは、街の中心部でもいつも何処かしら大掛かりな工事をしている。造っては壊し造っては壊し。元の姿など誰も覚えていない。

 右上: 目黒川。川沿いの高層マンションというのは夏場はとても涼しそうで良いのだけれど、冬はやっぱり寒いだろうな。それにしても川が黒い。川というより用水路だ。

 左下: 大崎駅の少し手前に在る陸橋の下。こういう場面では大抵写真を撮りたくなるが、大抵失敗する。光の加減がどうしても巧くいかないのだ。天を覆う構造物ってとても魅力的な対象なんだけどな。

 右下: 大崎駅。駅舎ではなく単なる入口なのだけれど、山手線の中ではこういう風に鋼材を剥き出しにして使っているのは珍しい気がする。郊外の駅ならばよく見かけるし、場合に拠っては構造物にレールを使っているところさえ在るくらいだ。

 しかし面白くもない写真ばかり撮ったものだ。基本的に、よほど天候が悪く苛烈な状況でない限り歩くのは楽しい。だがその際に撮った写真を並べて見てみれば、何故こんなにもつまらない事をやっているのだろうと疑問に思う。写真に撮った光景以外に何か記憶に残っていないかと思い返しても何も浮かばないし、そのあまりのつまらなさに記事を書くのも億劫だ。でもやはり、面白かろうと面白くなかろうと、一応は全部見ておきたいし歩いておきたいんだよねえ。

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