DOG ON THE BEACH

A season passes. A castle can be seen. Where is a soul without a wound ?

Month: November 2008

12月のブルース

 明日から師走となるが、この季節というのはどうしてこうも色々な事に想いを巡らしてしまうのだろうか。僕が思うに、毛の生え揃う前から地域やら学校やら家庭やらで執り行われる、西洋かぶれの珍妙な祭りと日本古来の伝統的風習がこの月の後半にどっと押し寄せる為、幼少の頃からの様々な思い出がこの月に凝縮されている故であろう。それに思春期を迎えてからはこれに加え恋愛に於ける最大のイベントとして世間では認知されてしまっているので、どんなに抗おうと大なり小なり意識せぬうちにこれに踊らされてしまうのだ。
 夜に煌めくイルミネーションの暖かい輝きに照らされた幸福そうな恋人達の笑顔がいやらしいほどにクローズアップされる。しかしその笑顔の向こう、ずっと奥の方にピントを合わせれみれば、小脇にレンタルビデオ屋の包みを抱えた男女がそれぞれに、目立たぬように人の影に隠れ俯き加減に歩いている。ああ何と残酷な季節であろうか。数百万の人間が蠢くこの光り輝く街の中、何処を探しても慈悲たる心など見当たらないというか何を書いているのか判らなくなってきたのでもう止す。

Blues in December from doggylife on 8tracks Radio.

彼女はサイボーグ / クァク・ジェヨン

 言ってみれば童貞脳で創り上げられたドラえもんベースの恋愛物語。クァク・ジェヨンが監督で綾瀬はるか主演というだけの理由で何となく観に行ったのだが、観終えた後どうにも気になって仕方がないので次ぎの日にも観た。で結局3回観たのだけれどそれでも飽きたらずにとうとうDVDまで買ってしまった。ゲロを吐くシーンなんてどうやったって好きにはなれないし、観ていて恥ずかしくなるシーンが幾つもあったりするのに何故繰り返して観たくなるのか。
 この映画の中の綾瀬はるかが超絶可愛いという事ははっきりと言える。しかしそれだけでは説明できないので繰り返し観ながら色々と考えてみたのだが、よく解らない。僕はは自分が嫌いなものに関しては色々と考察してその理由を突き止めるのだが、好きなものに関しては「好き」という時点でそれ以上は余り考えなくなるようだ。なかなか考察するまでに及ばない。

 迫るくる危険から主人を守り、主人の不都合を退け手助けする事を最優先事項として行動するように造られたロボット。それを単なるプログラムであるとして感情を切り離す事が出来るというのなら、人と人との間に存在すると言われる愛情とは一体何だろうね。

No Name

 つい調子に乗ってしまって、当初の予定からは予想だにしない結果を導き出してしまった事は誰しもあるだろう。例えばオムレツを作ろうとフライパンに卵を流し込んだは良いが長く掻き混ぜ過ぎて半円に形作るタイミングを逃してしまい結局スクランブルド・エッグになってしまったとか。例えば翌朝は早く起きなければならないので早めに床に着いたは良いが寝る前に少し漫画でも眺めようと読み始めたらどうにも結末まで追わないと気が済まなくなって結局3時間しか眠れなかったとか。それかもしくは初めてのデートで試しに言ってみたジョークが予想以上に受けてしまいそれならばと立て続けにジョークを繰り出し終いにはうっかりと下ネタを出してしまって結局は黙られてしまうとか。そういう風にして出来た一巻。シブく繋げようと思っていたのに段々と自分自身が盛り上がってしまって結局は騒々しく終わってしまった。

No Name from doggylife on 8tracks Radio.

青画

 11月。晩秋の東京の空は寂しい。10月までの空に比べて晴れる日は少なく、また晴れたにしても陽射しが頼りない。真冬の空のように灰色に濁った雲が低く垂れ込める事もない代わりに、白けた薄い雲が全天に覆い被さり意識の上昇を妨げる。そんな天候の下、自身の体調に不安があった事も相まって鬱々として過ごす日々。よくない。実によくない。しかしそれがさして居心地が悪い訳でもないところが困りものである。この季節から冬に向けては気温が下がっていくのに比例して僕の気分も沈んでくる。毎年の事だからきっと身体の作りがそうなっているのだろう。何とか盛り上げたいのだがいかんせんその材料が何処にも無い。

Blue Painting from doggylife on 8tracks Radio.

 で、曲を掻き集めてその気分的なシミュレーションとしてみたのだが、日本語の曲ばかりが集まって、そうするとどうしても意味の連なりを考えてしまうので余計に鬱々としてしまった。でも聴く分には問題はないと思う。最初安藤裕子がとても深いところから歌い初めるので頭の中がシーンとしてしまうかも知れない。でも大丈夫。段々と盛り上がってきて最後にはヤケクソで終わるから。

苔と睡眠薬

 その昔、頻繁に人に自分が好きな曲を薦めていた頃「日本語じゃないの?」とか「私こういうウィスパーボイス駄目なのよ。」とか、果ては「よくわからん。」とか「暗い。」とか、もう色んな言葉でダメ出しをくらう訳なのだが、その中で「眠くなる。」というのがよくあった。そりゃあまあ、皆10代半ばから20代初めくらいの年齢であったので、つまりその年齢の連中というのは男も女も、自分を興奮させてくれるものにしか興味を示さない傾向があるので仕方のない事なのだけれど。そう言えば若干一名、そういうのを好む奴が居たんだけど、そいつとは高校から別になってしまっていた。
 僕が未だ福岡の大学に通っている頃、福岡天神にある天神コアという商業ビルの7階に当時在ったライヴハウスに SION が巡業に来た。アコースティックギター一本で弾き語るツアーで、開催時が丁度12月だった為かアンコールで客達は「12月」を所望した。リクエストに応え彼は「では、12月、聴いてください。眠りたい人は、寝てください。」と言って歌い始めたのであるが、僕はその時初めて、音楽を聴きながら眠くなるというのは決しておかしな事ではなく、場合によっては人が眠る為の音楽が存在しても良いのだという事を確信した。後年、 J. S. Bach が不眠症のパトロンの為に作曲したゴールドベルグ変奏曲の存在を知って更に安堵した。ま、個人的にはこの曲では眠れないんだけどね。

 僕はいつも眠い、昔からずっと。20歳くらいの頃に不眠症になりとても辛い時期を過ごした経験から、僕は余程の事でもない限り眠る事を何よりも優先させる。治らない飲酒癖もその頃からの習慣だ。
 そして35歳を越えた頃から、夜眠る前に派手な音楽(やたらと高音が効いているやつとか、ビートが早いヤツとか)を聴きたいとは余り思えなくなった。洋楽でも邦楽でも、歌物でも器楽曲でも、どんなジャンルの音楽でもそれは関係ない。夜にそぐわない音は違和感しか感じない。細かい事を言えば、極度に疲れている場合は事情が少し違ってくる。一度興奮状態に持っていかないと眠れない。

 さて、またしても前置きが無駄に長くなったが、僕の最初の「マイ・フェイバリット・テープ@WEB」は心地良く眠る為の楽曲集である。これだけ書いておいて何だが、僕の思い入れなどとは関係なく、それぞれにお楽しみ下さい。

Moss and Sleeping Drag from doggylife on 8tracks Radio.

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