パチンコ経験とかホスト利用などは、それ自体がとても「叩かれやすい」ものだ。「そんなヤツだから貧困になるんだ。自己責任だろう」という意見があるのはわかる。でも一方で、長らく貧困状態にあり、教育機関から排除され、そもそも貯蓄や消費の仕方を学ぶ機会がなかったという者もたくさんいる。排除された者こそが飛びつきやすい文化という事実もある。その悪循環というのがなかなか厄介なものだ。そのうえで、浪費・無貯蓄・無計画といった状態に陥りがちな人に対し、いかなる教育機会を提示できるのか、あるいはそうなる前にしっかりと教育や福祉で予防できるのか。そうした議論につなげられない限り、単に「社会的知らんぷり」で終わってしまう。

荻上チキ・飯田泰之著『夜の経済学』扶桑社 2013年 pp.224-225