DOG ON THE BEACH

A season passes. A castle can be seen. Where is a soul without a wound ?

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保線夫のメランコリー

 地元の駅ではもう長い間線路の高架工事が行われている。路線が三本に分岐する上に検車区まで在るものだから、踏切が永遠に開かないのではないかと思える時がある。運行する列車の数は経る事なく増え続けていくのだから、将来を見越してどうにかしようという工事だ。季節を問わず、昼も夜も、入れ替わりで工事夫達が立ち働いている。騒音が大きく路線の運行を妨げない部分を昼間に、騒音が小さい工事は夜中に行われる。真夜中に窓を開け放つと、遠くからクレーンの稼働する低い音や、サンダーで何か金属質のものを削る音や、パイプを打ち付けた乾いた音なんかが聞こえてくる。僕はそういう音を聴いているのが何となく好きである。そして彼ら工事夫達の生活にまで思いを巡らしてしまう。黙々と作業を続けながらも、何かの拍子に空を見上げたり物思いに耽る事だってあるのだ。

 そういう事を想像しながら曲を掻き集めたという訳ではないのだけれど、丁度良いような気がしてこのタイトルを付けた。願わくば、元JRの保線夫で俳優の田中要次が地方路線の単線区の線路上に、作業着を身につけにヘルメットを被り、独り佇んでいる姿を想像しながら聴いて頂ける事を願う。

Maintenance man's melancholy from doggylife on 8tracks Radio.

四月

 気がつけばもう四月である。春が春めく今日この頃、吹き抜ける風は温度を増してやがて嵐となり、道端の土塊に蠢いていた虫どもが大地から顔を出す。桜の木の下では人々が酒を喰らい乱痴気騒ぎの果てに眠りに就く。そんな光景を尻目に、流れる雲を追いかけながら散歩でもするのが良さそうである。道々に草花を眺め、塀の下から顔を覗かせた猫を追いかけ、見上げた空に飛行機雲を見つけたならば、心は躍りて彼方までも駆けて行くだろう。

April from doggylife on 8tracks Radio.

12月のブルース

 明日から師走となるが、この季節というのはどうしてこうも色々な事に想いを巡らしてしまうのだろうか。僕が思うに、毛の生え揃う前から地域やら学校やら家庭やらで執り行われる、西洋かぶれの珍妙な祭りと日本古来の伝統的風習がこの月の後半にどっと押し寄せる為、幼少の頃からの様々な思い出がこの月に凝縮されている故であろう。それに思春期を迎えてからはこれに加え恋愛に於ける最大のイベントとして世間では認知されてしまっているので、どんなに抗おうと大なり小なり意識せぬうちにこれに踊らされてしまうのだ。
 夜に煌めくイルミネーションの暖かい輝きに照らされた幸福そうな恋人達の笑顔がいやらしいほどにクローズアップされる。しかしその笑顔の向こう、ずっと奥の方にピントを合わせれみれば、小脇にレンタルビデオ屋の包みを抱えた男女がそれぞれに、目立たぬように人の影に隠れ俯き加減に歩いている。ああ何と残酷な季節であろうか。数百万の人間が蠢くこの光り輝く街の中、何処を探しても慈悲たる心など見当たらないというか何を書いているのか判らなくなってきたのでもう止す。

Blues in December from doggylife on 8tracks Radio.

No Name

 つい調子に乗ってしまって、当初の予定からは予想だにしない結果を導き出してしまった事は誰しもあるだろう。例えばオムレツを作ろうとフライパンに卵を流し込んだは良いが長く掻き混ぜ過ぎて半円に形作るタイミングを逃してしまい結局スクランブルド・エッグになってしまったとか。例えば翌朝は早く起きなければならないので早めに床に着いたは良いが寝る前に少し漫画でも眺めようと読み始めたらどうにも結末まで追わないと気が済まなくなって結局3時間しか眠れなかったとか。それかもしくは初めてのデートで試しに言ってみたジョークが予想以上に受けてしまいそれならばと立て続けにジョークを繰り出し終いにはうっかりと下ネタを出してしまって結局は黙られてしまうとか。そういう風にして出来た一巻。シブく繋げようと思っていたのに段々と自分自身が盛り上がってしまって結局は騒々しく終わってしまった。

No Name from doggylife on 8tracks Radio.

青画

 11月。晩秋の東京の空は寂しい。10月までの空に比べて晴れる日は少なく、また晴れたにしても陽射しが頼りない。真冬の空のように灰色に濁った雲が低く垂れ込める事もない代わりに、白けた薄い雲が全天に覆い被さり意識の上昇を妨げる。そんな天候の下、自身の体調に不安があった事も相まって鬱々として過ごす日々。よくない。実によくない。しかしそれがさして居心地が悪い訳でもないところが困りものである。この季節から冬に向けては気温が下がっていくのに比例して僕の気分も沈んでくる。毎年の事だからきっと身体の作りがそうなっているのだろう。何とか盛り上げたいのだがいかんせんその材料が何処にも無い。

Blue Painting from doggylife on 8tracks Radio.

 で、曲を掻き集めてその気分的なシミュレーションとしてみたのだが、日本語の曲ばかりが集まって、そうするとどうしても意味の連なりを考えてしまうので余計に鬱々としてしまった。でも聴く分には問題はないと思う。最初安藤裕子がとても深いところから歌い初めるので頭の中がシーンとしてしまうかも知れない。でも大丈夫。段々と盛り上がってきて最後にはヤケクソで終わるから。

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