DOG ON THE BEACH

A season passes. A castle can be seen. Where is a soul without a wound ?

サンダル履きのサザンオールスターズ

 僕が小学生の頃、夜のテレビの歌番組にメンバー全員がランニングシャツにジョギングパンツという出で立ちで登場したサザンオールスターズ。「勝手にシンドバッド」が僕は大好きだった。それから数年後の1980年代初頭の紅白歌合戦で、髪の毛を七色に染め分けた桑田佳祐が「匂艶 THE NIGHT CLUB」を歌っていたのを覚えている。
 そんな風に、普通にテレビやラジオから流れてくるサザンオールスターズを聴き続けていたのだけれど、中学も終わり頃になると(サザンオールスターズに限らず)歌謡曲というものを聴かなくなった。勿論ラジオ等で流れてくるものは耳にはしていたのだけれど、レコードを買ったり好き好んでは聴かなかった。それから更に数年が経ち大学に通う頃には邦楽すら聴かなくなった。恐らく自分の身にまとわりつく過去からの全てのものを否定したかったのだろう。

 それから随分と時間が経ち、上京して働き始めた或る夏の日の事。その日は休日で、遅い時間に起き出した僕は、底をついていた洗剤を買おうと近所のディスカウントの薬局へとサンダルを引き摺った。草木も屋根もうなだれるような強い陽射しの中、店先に並べられたティッシュペーパーの箱やシャンプーやリンスのボトルが晒されていた。濃い影が潜む店内からはFM放送が聞こえてくる。流れているのはサザンオールスターズの「恋はお熱く」。その時の気温と陽射し、店構えの緩さにとても合っていた。その頃の僕が一体どういう心持ちで生きていたのかまるで覚えていないが、たっぷりと一曲聴き終えるまで僕は動かなかった。
 それとは別に、嗚呼こういう時にサザンを聴くと良いんだなと思った事を覚えている。それから暫くした後に、僕は中古屋で「バラッド」「バラッド2」を買った。自分が聴いて心地良く感じた音楽を、如何なる理由であろうと否定しない事にしようと思ったのだ。

 因みに僕は個人的な記憶と音楽が結びつくという事が殆どないのだけれど、長い年月を経て聴くともなく聴いていた夏の歌は、漠然とした感傷と繋がっている気がしている。

11 Comments

  1. 実をいうとボクも小学生の頃からサザンが好きなんですよ。『HAPPY』もってます。バラッドも三つとも持ってます。
    小学生の頃って音楽に触れる機会は圧倒的にテレビで、ボクはラジオは聞いていなかった。だから、テレビになんだか難しい理由で出ないオフコースとか松任谷由実とかってボクはあまり好きじゃなかった。だから、テレビに出てくれるサザンや原田真二、沢田研二、YMOってボクにとってはヒーローだったんです。
    でも桑田佳祐が歌った曲で一番好きなのはナンバーワンバンドの『六本木のベンちゃん』なんだけど。

  2. 「Happy」持ってますか、いーなあ。僕は友達が持ってた「すいか」が好きでしたね。て事でこんな話をしていると段々欲しくなってくる訳ですが、ヤフオクで「Happy」も「すいか」も割と高値ですが取引されてますねえ。法被もパンツも要らないんですが、パッケージは欲しいかなあ。
     僕は「勝手にしやがれ」のEPを親に買って貰いましたね。その頃の僕にとって歌謡曲はオトナの歌で、微妙にいやらしいところにドキドキしていたものです。ナンバーワンバンドって聞き覚えがあって何だろうと思ったら、小林克也でしたね。聴いた事はあるはずですが思い出せません。

  3. サザンは『KAMAKURA』が大好きですね。
    今ぐらいの時期にこれ聴くと切なくなります。
    そのあとに出たのがイマイチだったのでフォローするのをやめましたが。
    あ、でも、桑田のソロ『孤独の太陽』、これは一家に一枚レベルの名盤だと思います。

  4. サザンは「Blue~こんな夜には踊れない」が一番好き
    ライブバージョンじゃなくてCDの静かなやつ

  5. >ne_san
     僕が高校の頃ですね。友人の部屋でさんざん聴いた覚えがあります。そして丁度その頃、高校の修学旅行で、バスであの辺りを通りまして「湘南は凄いなあ」と思いましたね。何が凄いのかは解りませんが。
     「フロムイエスタデイ」は聴きましたが「孤独の太陽」は聴いていないと思います。そこまで言うのなら聴くべきか・・・。
    >ふりり
     「フロムイエスタディ」からですな。僕もこの曲は好きです。ライブバージョンは聴いた事ないなあ。というか、この曲の話題は随分前にもした気がする。
     何となく、今時誰も作らないであろう「マイ・ベスト・サザン」というテープを作りたくなった。

  6. doggylife兄さん!! 
    湘南は凄いです。えぇ、わかります。地元民の友人に連れられてあの辺をウロウロしましたが、
    なんか凄いです。鎌高前とか。何もないんだけど。
    『孤独の太陽』は…我が家の場合父、私、弟と三枚もありました。仲が悪いわけじゃないのですが…w
    そういうアルバムはほかにポール・サイモンの『Grace Land』くらいです。
    んーとですね、ずっしりと、とんがってます。
    ひらがなの国の「ぶるーす」です。
    「真夜中のダンディ」が有名ですが、お勧めは「漫画ドリーム」「月」などなど。youtubeにて、試聴可っす。

  7.  何ですかそのいきなりの兄さん呼ばわりは。まあ、一向に構いませんが。
     湘南の凄さの正体って何なんでしょうね。言ってみればただの海辺の片田舎でしかないのに。鎌倉高校前駅にも行きましたよ。此処なんかは映画やドラマや歌にも数々登場するのでかなり刷り込まれている気がします。恐らく若者が夢見る儚き夏の日の舞台としてインプットされてしまっているのでしょうね。
     素敵な家族ですな。我が家では考えられない。あるとすれば・・・僕と末の弟が気付いたら二人とも成田美奈子の「サイファ」を雑誌Lalaで立ち読みしていた事くらいですかね。
     そう言えば「真夜中のダンディ」はシングル持ってました。今は無いけど。カップリングの「黒の舟歌」が非常に気に入ってましたよ。おとーこーとおんーなーのあいーだーにはー、くらーくてふかーいかわーがあるー、てな感じで。

  8. 鎌倉の友人がサザンのことを指して「あいつらが湘南をダメにした」と言っていたのが印象的です。
    僕はたしかたしか高校生の頃「すいか」を全部ぶっ通しで聞いて気持ち悪くなり、それ以来サザンのCDを買う気にはなれないのですが、嫌いというわけではありません。
    「ふぞろいの林檎たち」を見ていると、非常にウェットで良い音楽だと思います。

  9.  それはサザンが売れた事に因って変に観光地化されてしまい、本来その土地が持つ音や風景が乱されてしまうというような事でしょうかね。解る気がします。
     その気持ち悪さの正体とは一体何なのでしょうか。僕は音楽を聴いていて何だか怖くなってしまい途中で止めてしまうって事は何度かありましたが。

  10. いや、湘南なんてもともと薄汚い田舎なのに、良いイメージを植え付けやがって、というようなニュアンスだったと思います。
    >その気持ち悪さの正体とは一体何なのでしょうか。
    精神的な物ではなくて、本当に体調が悪くなったんですよ。同じ曲調の音楽を延々と聞いたので「急性サザン中毒」になったというイメージでしょうか。

  11.  うーん、それだと経験がないからかよく解りませんね。想像してみても追いつきません。
     或る音楽を聴いていて体調を悪くするという経験は今までありませんでしたね。好きでも嫌いでもないバンドのCDを何の断りもなく延々とリピートされ、相手に殺意を覚える事は何度かありましたが、そういうのとは違うんでしょうねきっと。

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