DOG ON THE BEACH

A season passes. A castle can be seen. Where is a soul without a wound ?

架空地図

 関東では6月29日に放映されたタモリ倶楽部の架空地図の回を先日ようやく観た。面白かったなぁ。登壇した三人は、始めたきっかけや理由は様々でも、同じように小学生の時に空想の地図を描き始め、それからずっと描き続けている。それだけ長い間、同じ事を飽きずに続けている人というのは、もうそれだけで恐れ入るのだが、この場合は、架空地図を描く事がどう楽しいのかが自分にも解るので、それを成長と共に蓄積される知識や、繰り返す空想を丹念に組み込みながら増殖させる事の喜びが想像出来るのである。

 話変わって小学生の頃僕は、週刊少年ジャンプに連載されていた「サーキットの狼」を好きでよく読んでいた。連載は1975年から1979年にかけてで、中盤の少し後くらいに、舞台が瀬戸内海の流石島に造られたサーキットでのレースに移った辺りが一番熱心に読んでいたと思う。そして僕は読むだけでなく、漫画の中に続々と出てくるスーパーカーを模写するのが好きであった。ロータス・ヨーロッパ、ポルシェ・911カレラ、ランボルギーニ・ミウラ、ランボルギーニ・イオタ、BMW(当時はベー・エム・ベーと発音していたと思う)、フェラーリ・ディノ、フェラーリ308GTBなどなど、挙げていたら切りがない。「スーパーカー大百科」という小型辞典のような本も買って貰い、熱心にそれらを眺め回しては模写していた。
 そうしているうちに、漫画の中では舞台がサーキットに移り、スーパーカーをサーキットレース仕様に改造した車両が続々と登場する。そこで僕は何かしらヒントを得たらしく、今度は自分が考えたレースカーを描き始めた。誰にも教えられていないのに何故かしら三面図で描いていて、ボディラインを描いては消し、自分の理想の形状になるまでそれを繰り返した。今から考えると、僕がデザイン的な行為をしたのはそれが最初だったかも知れない。 そしてそれが更に高じて、今度は流石島サーキットの平面図に魅入られた僕は、自分で考えたサーキットとその周辺環境を描き始めた。メインストレートの全長が何百メートルだとか、第一コーナーの半径は幾つだとか、バンク角度が幾つだとか、スターティング・グリッドの配列はどうだとか、敷地内に森や河を適度に配置させるだとか、そういう事を考えてそれを描き込むのがとても楽しかったのだ。何故突然そんな事に興味を持ったのか。記憶は薄いので定かではないけれど、たしかレーシング・スーツやヘルメットのデザインもやってたと思うので、まだ自分にデザインされていない要素がもうそれしか残っていなかったのだろう。描くだけ描いても高ぶった気持ちを持て余してしまうので、とうとう手を付けてしまった。と、そういう事だったのではないかと考える。

 恐らくそれから数年後、きっかけはもう全く思い出せないが、僕は自分が住む市の全域図を描いていた。そんな事をする必要は全くないはずである。何か気に入らないところでもあったのだろうか。僕は市内地図から主だった道路と鉄道路線を書き写し、それを白地図として、駅を増やしてみたり、人口に対してまんべんなく行き渡るように学校や病院、公園を配置してみたり、何となく住む人がより良い生活を送れるように配慮しながら都市計画をしていたようだ。小学生(か、もしくは中学生になってたかも)のくせに生意気である。割と細かい設定までも考えていたようで、この学校は公立にしようとか、女子校も増やした方が良いのではないかとか、既存の校名がなければ地名から命名するとか、そんな事まで考えていたと思う。とにかく楽しかったようだ。しかしそれを続ける事をしなかった。気まぐれで飽きっぽい性格がそうさせたのだろう。タモリ倶楽部の架空地図回を観ていると、どうしてやり続けなかったのだろうと悔しさがこみ上げてくる。でもまぁ、今更しょうがない。

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 余談であるが、番組内で登壇していた方の一人がブログをやっており、そこにある「架空都市レファレンス」というリンク集が素晴らしい。こういうのを色々集めて、展覧会をやったらどうだろうか。面白そうなんだけどなぁ。

4 Comments

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    潮来のオックス

    August 21, 2013 at 19:42

    「サーキットの狼」は拙者も読んでおりましたね…
    やはり幻のイオタでしょうか?
    イタリアのトスカナ地方にあるフェラーリ工場に行ったときは感動しました。
    ところで本記事には出てきませんでしたが、「へんちんポコイダー」を別所でうんぬんなされていらっしゃったときは、すごい記憶力だなと感心いたしました。それを拝見しなければ、この漫画は拙者の記憶の堆積のうもれたまま永遠に浮上してこなかったでしょう。

  2. 潮来のオックスは、登場の仕方が派手だった割りには大した活躍はせずに終わった気がするんですが、どうでしたっけね。ランボルギーニ・イオタは格好良かったですな。フェラーリなら、やはりディノでしょうか。
    へんちんポコイダーは、その馬鹿馬鹿しさに小学生ながらも呆れ返りましたからねぇ。

  3. Avatar
    潮来のオックス

    August 22, 2013 at 20:12

    さよう、なんの活躍もせずに潮来のオックスはきえましたね。
    それが世の中だと、なんとなく子供心にもわかっていた気がします。
    「サーキット」の狼は八戸の米軍キャンプに滞在していたころ映画もみまして、これなら同時上映の文ちゃんの「トラック野郎」のほうが数段おもしろかったとおもいましたが、なにやら制作側の苦悩も忖度する無駄に寛容な少年心もおもいだされます。

  4. そんな事まで考えてましたか。僕は軽く落胆したくらいでしたね、たしか。
    これはまた面妖な事を言い始めましたな。米軍キャンプで何をしてたのでしょうか。映画版の存在は随分と成長してから知りましたが、その頃には興味も失っていましたので、結局観ていませんね。

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