余丁町の散人氏のエントリで紹介されていたのですが、この本の中の「薔薇 」は一体誰がモデルになっているのかが56年を経てようやく判明したそうです。それは妻の Consuelo だとか。詳しい経緯については氏のエントリを参照してください。個人的な意見を書かせて貰うならば、文中の「薔薇」はかなり一般化して書かれていると思うので、大した問題ではないのではないか、と。
 ならば何故わざわざエントリに書くのかというと、一つ思い出した事がありまして。それと言うのも、10年くらい前の或る日の事です。ポストに小包が届いていました。差出人は不明です。中を開けると、手製の布地のカバーで製本し直された岩波少年文庫の「星の王子さま」が入っていました。宛名はしっかりと僕の名前と住所になっているので間違いであるハズはないが、全然思い当たるフシがありません。その当時、郵便物のやりとりをしていた人と筆跡を見比べてみましたが、誰の筆跡とも合致しません。誰が送ってくれたモノなのか知りたいとは思いましたが、モノがモノだけに、送り方が送り方だけに問いただす事もなく現在に至ります。不思議な事もあるものです。その本を贈ってくれた誰かは、僕に一体何を伝えたかったのでしょうか。

 此処で紹介しているのは岩波少年文庫版ではありません。サン=テグジュペリが生前に唯一ゲラを確認した挿絵(アメリカ版)を使用したオリジナル版です。僕は持ってませんが、ちょっと欲しい気もします。

Le site officiel du Petit Prince星の王子さま公式ホームページ